オワコンと言われたトヨタ「プリウス」新型なぜ人気? 世界的に好評の5代目…劇的な復活劇の裏側とは
新型プリウスは「コモディティ(商品)か愛車か」 魅力あるクルマに生まれ変わったのはなぜ?
そして、2022年11月16日にフルモデルチェンジを果たし、5代目モデルとなった新型プリウスが登場しました。
今回登場した5代目モデルでは、TNGAが第二世代に進化したことや第五世代となったトヨタハイブリッドシステム(ハイブリッドとプラグインハイブリッドを設定)の大幅進化、そしてアグレッシブなデザインが世界的に評価されました。
なおトヨタによれば「『Hybrid Reborn』をコンセプトに『一目惚れするデザイン』と『虜にさせる走り』を併せ持ったエモーショナルなプリウスへと進化。愛車として長くご愛用いただけるクルマを目指しました」といいます。
またこの5代目新型プリウスについて、トヨタの前田昌彦副社長は次のように語っていました。
「新型プリウスは、さまざまなパワートレインや駆動方式、グレード(価格帯)を用意することで、コンパクトなヤリスやアクアではカバーできない、大人四人で乗ってもひとりで長距離を乗っても、一家に1台でまかなえる『万能なクルマ』という価値があるのではないかと思います。
それでいて全体的に、雰囲気が醸し出すエモーションさという面では、僕はクラウンに負けてないんじゃないかなと。
そのため、歴代のプリウスが担ってきた立ち位置をどこまでも広げていった完成形が今回の新型プリウスなのだと思います」
デザインをはじめさまざまな部分で劇的な進化を遂げた新型プリウス登場後、ユーザーからの反響についてトヨタの販売店は次のように話しています。
「新型プリウスは、先行受注を開始してすぐに多くのお客さまからお問合せならび注文を受けました。多くのお客さまはデザインを気に入られています。
歴代モデルでは燃費数値などを気にされるお客さまが多かった印象ですが、新型プリウスでは細かなスペックよりも第一にデザイン、第二に機能や価格という感じになっています。
こうしたこともあり、デザイン的に不評だった先代プリウスから乗り換えを検討される人が多い印象です」
デザインが非常に好評な新型プリウスですが、ワールドプレミア時にトヨタのデザイン統括部長のサイモン・ハンフリーズ氏は次のように述べています。
「次のプリウスは、『コモディティ(商品)』か『愛車』か、豊田社長は真の『コモディティにするべきでは』と提案してきました。
『プリウスを、タクシー専用車にしてはどうか』。走行距離の長いクルマとして台数を増やしてこそ、環境貢献につながるという発想です。
そしてもう1つは、『OEM車として、他メーカーからも販売してはどうか』。
長年培ってきたプリウスの環境技術を、トヨタだけに留まらず、メーカーの枠を超えて普及させることでカーボンニュートラル社会に貢献するというアイデアでした」
このように一度はただの商品として継続するという未来も描かれていたプリウスですが、プリウスブランドを再び復活させたいという開発陣の熱い思いの結果、世界中のユーザーの感性に響くクルマとして生まれ変わったといえます。
実際に新型プリウスを検討するユーザーは、その理由について次のように話します。
「ワールドプレミアのときに新型プリウスを見て『買おう』と決めました。とにかくデザインに惚れましたね。
昔は燃費などのスペックや機能、使い勝手を調べたり触ったりして購入を検討していましたが、最近ではスペックもそれほど他社と変わらなくなっている気がするのと、新しいクルマなのでそのあたりの機能は良いと思っています。
そのため、『自分が乗りたいクルマとなる見た目なのか』を重視しました」
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クルマは日々進化をしており、さまざまな性能や機能は向上しています。
その一方、デザインはその時代におけるトレンドによって新しければ良いというものでもありません。
今回、5代目にフルモデルチェンジした新型プリウスは、コモディティとしてではなく、愛車として長く乗りたくなるクルマへと復活したといえます。
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