東京湾の入口に「橋が欲しい」? フェリーからは“震え声” 市歌の「天そそる横断路線」は実現するか
東京湾の浦賀水道を渡る東京湾口道路の構想が、SNSでにわかに話題に。横須賀市の市歌でも触れられているこの道路はどのような構想なのでしょうか。
横須賀~富津を道路で直結
東京湾の入口を渡る「東京湾口道路」という構想があります。第二のアクアラインともいえるこの道路は、どういった計画なのでしょうか。
東京湾を渡る道路といえば、神奈川県川崎市と千葉県木更津市をまっすぐに結ぶ東京湾アクアラインです。
正式には国道409号の東京湾横断道路といい、長さは15.1km。人工島の海ほたるを境に西側の東京湾アクアトンネル(9.6km)と東側の東京湾アクアブリッジ(4.4km)で海を渡ります。
1997年に開通した後も、神奈川側では首都高速神奈川6号川崎線、千葉側では館山道の延伸や圏央道の接続などにより利便性もアップし、通勤やレジャーなどで両岸の往来を活発にしています。
しかし東京湾には、道路を渡す構想がもう一つあります。東京湾アクアラインよりさらに南側の、神奈川県横須賀市と千葉県富津市を結ぶ延長約17kmの「東京湾口道路」です(一部では「三浦房総連絡道路」の名前も)。
この道路は、湾の入口で海がくびれて狭くなっている浦賀水道を渡ります。神奈川の観音崎と千葉の富津岬を結ぶようなルートです。
具体的には、神奈川側は横浜横須賀道路の終点・馬堀海岸ICと、千葉側は計画中の東京湾岸道路と接続。これにより国道16号の海上未開通区間がつながり、文字通りの環状となります。
ちなみに道路構造は未定です。富津市では構想実現の機運を高めようと、吊り橋の東京湾口道路をデザインしたマンホールのふたがありますが、実際に海底トンネルと長大橋のどちらにするかは決まっていません。
2023年1月9日にはSNSのツイッターでこのルートが話題に。さらに翌10日にはIHIが「ほう‥」、東京湾フェリーが「みんなフェリーで渡ろうよ…(震え声)」と反応し、それぞれ反響を呼んでいます。
後者の東京湾フェリーは、横須賀市の久里浜港と富津市の金谷港を40分で結んでいます。歩行者はもちろんクルマやバイクも利用できます。東京湾口道路が実現したらライバルとなるのは必至です。
東京湾フェリーのツイートに対しては「とても快適で癒しの旅になりました」「橋は便利だけど、時間があるなら船に揺られる方が好き」「バイクだと橋よりフェリーの方が安心。休憩もできます」といった声援が寄せられています。
そんな東京湾口道路は、実現するのでしょうか。
道路の構想自体は古くからあります。1962年度に当時の建設省が調査を開始。1994年度には同省が地域高規格道路の候補路線に指定しました。
以降、両岸の自治体や民間団体が建設促進協議会などを設立し、1996年には「東京湾環状道路シンポジウム」を開催するなど構想実現に向けて機運が高まりまった時期もありましたが、1997年に東京湾アクアラインが開通。
2008年7月には閣議決定された国土形成計画で「湾口部、海峡部等を連絡するプロジェクトについては、長期的視点から取り組む」と、それまでよりトーンダウンした表現となり事実上の凍結となっています。
「大いなりわれらが夢は/黒潮にわたすかけ橋/天そそる横断路線/ひと跨ぎ東京湾も……」
横須賀市の市歌(堀口大學作詞)に盛り込まれた“夢の”東京湾口道路は実現するのでしょうか。横須賀市と富津市は「国の動向を注視するなど情報収集を行っています」状況が続いています。
東京湾フェリー使うわw
フェリーは欠航やドックダイヤなどで不便を感じている。
道路で繋がればお互い経済効果は期待できるし、
アクアの渋滞も解消していいと思う。
アクアラインでも1.4兆円の膨大なプロジェクトなのに、更に建設費の暴騰が見込まれる湾口道路では、いくらかかるのか検討もつきません。
軟弱地盤+断層地帯の三浦半島と房総半島には
、相当な難工事になります。
橋にしたら、海面から100m以上上げないと大型線が通れなくなるのと、吹きまどう風対策が課題でしょう。
トンネルは建設費の高さと、その後の維持費が橋以上にがかかりますからね。
通行料金も、今なら8000円以上は取らないと採算割れでしょう。