マツダ「ロードスター」や「CX-5」がEVになる!? 次世代スポーツカー初公開! 2030年電動化へのシナリオとは
5代目ロードスターはEVで登場する可能性も
2030年に向けたフェーズ2としてマツダが位置付けているのが、2025年から2027年。欧州、アメリカ、中国、そして日本などグローバルで電動化に関する規制のハードルが上がることが予想されている時期です。
フェーズ1で導入した技術やモデルをフェーズ2でも引き続き販売しつつ、また電池の技術開発などを自社でも進めながら、ほかのOEM(自動車メーカー)、サプライヤー、他業種との協業を踏まえて、本格的な電動化時代の向けた準備をさらに加速させるとしています。
登場するモデルとして注目されるのが、フェーズ2後半にデビュー予定とするEV専用モデルでしょう。
つまり、導入時期としては、いま(2022年)から5年後の2027年ということになります。
ただし、具体的にグローバルのどの国や地域で、どのようなモデルになるのかは、基本方針発表後の記者会見でも丸本社長をはじめとしたマツダ経営陣は明言を避けました。
なぜならば、環境問題、国際的な紛争、そしてIT技術の急激な進化より、グローバルで自動車産業界を含めた社会全体で大きな変革期にあるなかで、市場の予測が極めて難しいからです。
そのうえで、「中国は世界でもっともEV普及が進んでいる」(丸本社長)という見解を改めて示したこともあり、2027年のEV先行導入の最有力候補地は中国である可能性が高いと思われます。
そして、2030年に向けた最終段階であるフェーズ3が2028年から2030年です。2030年の時点で、グローバルでマツダにおけるEV比率は25%から40%という考えを示しました。
こうした幅を持った予測値を提示したのも、前述のように市場予測が極めて難しいからです。
そして、いま(2022年)のEV関連規制をグローバルで俯瞰してみますと、欧州、アメリカ、そして中国は厳しく規制されている一方、日本はそうした世界動向を注視しながら慎重に動いているという状況です。
つまり、マツダの2030年時点での日本でのEV比率は、25%から40%の下限である25%程度になると予測するのが妥当に思えます。
とはいえ、マツダ新車の4台のうち1台がEVになるのですから、マツダにとってかなり大きな転換になるといえるのではないでしょうか。
では、どんなEVが登場するのでしょうか。
まず考えられるのは、グローバルEVとしての「CX-5」級のSUVモデルです。「CX-5」と「CX-8」は2012年登場のマツダ第六世代のプラットフォームであることから、2028年頃には全面改良することが予測され、それに合わせてEV専用モデルに転換する可能性がありそうです。
そして、多くのマツダファンが気になるのは「ロードスター」のEV化でしょう。
今回の基本方針発表でも、まるで次世代ロードスターのような「ビジョンスタディモデル」のCGや画像が公開されています。はたして、これが第5世代ロードスター(NE)の姿なのでしょうか。
マツダの2030年に向けたさまざまな取り組みを、これからも注視していきたいと思います。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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