トヨタ新型「シエンタ」高速道で燃費リッター30km超!? 最新小型ミニバンの実燃費を徹底調査!

混雑した街中でも新型シエンタは疲れ知らず

●高速道路
走行距離:81.7km
実燃費:30.1km/L

 ここからセクション別の燃費を振り返ってみましょう。

 東京都千代田区を出発し、首都高を経由して東名高速に入り、小田原厚木道路を通る今回のルート。

 あいにくの天候ということもあってか東名高速の横浜町田インター付近でガッツリ渋滞にハマってしまいましたが、それ以外はスムーズに流れており、燃費はリッター30kmを超える30.1km/Lをマークしました。

トヨタ新型「シエンタ ハイブリッド」
トヨタ新型「シエンタ ハイブリッド」

 新型シエンタはコンパクトなボディではありますが、TNGAの恩恵か直進安定性も悪くなく、安定したドライブが楽しめました。

 クルージング時にモーター駆動とエンジン駆動の切り替わる際、まれにショックを感じることもありましたが、かなり気にしていないとわからないレベル。とくに問題になるようなものではありませんでした。

●ワインディング路
走行距離:41.7km
実燃費:19.2km/L

 ワインディング路は、小田原西インターを降りてターンパイクを駆け上り、箱根新道を経由して一気に下るというコース。

 料金所からはしばらく登り区間が続きますが、多人数乗車ではこの限りではないかもしれませんが、一人乗りでのドライブでは力不足はまったく感じず、むしろ力強さを感じるほど。

 エンジンは比較的賑やかに回り続けましたが、そこまで耳障りな音質ではなく、音楽などを聞いていればあまり問題なさそうです。

 一方の下りでは、バッテリーが満充電になってからはアクセルオフでのブレーキを作動させるためにエンジンが始動するのはほかのハイブリッドと同様。ここでも騒音レベルは低く抑えられており、このクラスの車種として考えれば十分合格点でしょう。

 ここでの燃費は41.7kmを走行して19.2km/Lで、前半の登り区間で7km/L台だったことを考えれば下りでかなり取り戻しました。

 これもハイブリッドの効率が高められた結果なのかもしれません。

●一般路
走行距離:50.1km
実燃費:28.6km/L

 ワインディング路の後は、国道134号から国道246号を経由し、横浜市内に戻る一般道のルートとなります。

 この日は雨模様ということもあってか交通量が多く、ストップ&ゴーが多いシチュエーションとなりました。

 このルートでは、50.1kmを走行して28.6km/Lと低燃費をマーク。クルマ自体の基本性能はもちろんこと、自然にドライバーをアシストしてくれるPDA(プロアクティブドライビングアシスト)の恩恵もあって、かなり疲労感の少ないドライブとなりました。

 ただ、交差点などの右左折時など、ステアリングを大きく切り込むシーンでは、ステアリングの反力がバネ感の強い人工的なものとなっており、ステアリングから伝わるインフォメーションが希薄だった点が気になるところでした。

 クルマのキャラクター的に過度なインフォメーションをあえて遮断しているのかもしれませんが、運転好きなユーザーからするとやや物足りなく感じる部分かもしれません。

※ ※ ※

 愛らしいルックスも話題を集めている新型シエンタの燃費性能をチェックしてみましたが、さすがはトヨタといったところで燃費性能は圧倒的に良好といえる数値となりました。

 また運転支援システムも手厚く備わっており、シートアレンジや室内の収納なども充実。

 走らせて楽しいクルマというキャラクターでありませんが、コンパクトミニバンの購入を検討しているのであれば、新型シエンタを選んで後悔することはなさそうです。

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Writer: 小鮒康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

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