老朽化で「鉄筋消失」! ピンチヒッターは「幻の可動橋」!? 全国で2番目に古い東京「海底道路トンネル」で進む大規模更新作戦
老朽化が進む「羽田トンネル」その現状は?
そんな羽田トンネルは、現在では、トンネルの構造目地やひび割れからは激しい漏水が発生しており、漏水に伴う緊急補修のための車線規制は、2016年度は4か月に1回でしたが、2021年度は1か月に1回と頻度が高まっています。
さらに海水の塩分により躯体の鉄骨は腐食・消失が進み、コンクリートの剥離や防災・非常用設備の損傷・腐食も急速に進行しているといいます。
このように、羽田トンネルの大規模更新は“待ったなし”の状況であり、現在はその大規模更新の段取りが検討されています。
しかしここで問題となったのが、羽田トンネルのクルマの多さです。断面交通量は1日約10万台で、さらにトンネルの勾配とカーブにより減速が発生し渋滞ポイントにもなっています。
そのため、工事による長期間の通行止めや車線規制は現実的ではないことから、迂回路を確保してクルマの流れを維持しながら工事を進めていく必要があるといいます。
そして、その迂回路として白羽の矢が立ったのが、羽田可動橋です。
羽田トンネルの大規模更新は、トンネル内で車道部とダクト部を分ける中床版も造り直します。その際は、上下線を交互に通行止めにしたうえでの施工が必要です。
案では、トンネル通行止め時の迂回路として、羽田可動橋を活用します。
具体的には、可動橋を上り本線として運用し、工事後もそのまま上り本線として活用します。橋桁は、現行の1車線だと狭いため、本線2車線が通れる幅の広いものに変わります。
一方のトンネルは、更新工事後、現在の上りトンネルは下り本線トンネルに、現在の下りトンネルは下り空港西出口用トンネルにそれぞれ転用されます。
つまり、下りは現在と同じくトンネルで川をくぐりますが、上りは高架橋でまたぐ形に変わるのです。
更新工事の検討は、2024年度以降の工事開始に向けて今後も続けられます。
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