レクサスの「高級SUV」に驚愕!? 「大人の余裕&気持ちいい」を両立! 今冬発売の新型「RX」を最速試乗してみた!
乗れば感動レベル!? 新型「RX」を試乗インプレッション、いざ!
では、実際に乗ったらどうなのでしょうか。
正直走り出すまでは心配でした。初代RXのコンセプトは「高級セダンの快適性を兼ね備えたSUV」です。
そのDNAは歴代モデルが受け継がれてきましたが、新型NXのスポーティさを実感する今、そのコンポーネントを活用するRXもそっち系の走りだったら嫌だなと(決してNXを否定しているわけではないです)。
しかし、ステアリングを握って走り始めて数十mで一安心。
「おっ、これは紛れもなくRXだ」と感じました。ここからは、もう少し具体的に説明していきましょう。
パワートレインは2.4Lターボ(RX350)、2.5Lハイブリッド(RX350h)、2.5Lプラグインハイブリッド(RX450h+)、2.4Lターボ+DIRECT4(RX500h Fスポーツパフォーマンス)の4タイプが用意されています。
2.4LターボはRXのなかではベーシックなユニットですが、フラットトルクと伸び感のあるフィーリングに加えて8速ATの巧みなシフト制御で、実用ユニットにしておくのは勿体ないくらい。
静粛性の高さも相まって、このエンジンのウィークポイントだった濁音の多いサウンドも抑えられ、「これでいいよね」と思うくらいのユニットになっています。
2.5Lハイブリッドは実用域の力強さはもちろん、アクセル操作に対する反応、出力の出し方やエンジン/モーターとの連携、全開走行しない限りは気にならないフィーリングなどはNXと同様です。
しかし、静粛性の高さが別格。遠くにエンジンが搭載されていると思うくらいエンジンノイズは抑えられています。
ただそれは実用域の話で、高速の合流やワインディングで元気に走らせるときには、車格を考えるとパフォーマンス/音含めて、もう少し頑張ってほしい所ですが、燃費を含めた総合性能は相変わらず高いです。
2.5LプラグインハイブリッドはRXのキャラクターにもっともピッタリです。
EVモードではシステムからのノイズはもちろんロードノイズも見事にシャットダウンされており、本当に音もなくスーッと走り始めます。
動力性能も2トン近い重量を軽々と走らせる力強さや瞬発力が備えられています。ただ、このシステムの本当の凄さはHVモードで、高速道路の合流などでのアクセル全開時はシステム出力309psを実感。
NXより重量があるので凄い速い感じはしませんが、逆にそれがいい意味でジェントルな加速になっているのでアリかなと。
静粛性は2.5Lハイブリッドより1ランク上のレベルで、実用域ではエンジンのON/OFFはほぼ分らないレベルです。NXではエンジン音がうるさく興ざめするチャージモードも、RXではそれほど気になりませんでした。
2.4Lターボ+DIRECT4は、フロントに1モーターパラレルハイブリッドシステム+6速AT(クラッチ機構付)。
リアにモーター(eアクスル)を組み合わせた電動AWDで、前後のパワートレインの協調で駆動力制御を可能にしています。
その印象はハイブリッドというよりも電動スーパーチャージャーのようなイメージで、THSII(トヨタハイブリッドシステム)にはない「小気味よさ」、「伸びの良さ」、そして「ダイレクト感」が印象的な「気持ちいいハイブリッド」です。
システム出力367hpは決して軽いとはいえないRXの重量でも十分以上のパフォーマンスを発揮します。
ATは多段化がトレンドにも関わらず6速ですが、ギアを細かく刻む必要がない実力を持っている証拠といえるでしょう。
ただ、トルコンレスのクラッチ機構のため、重箱の隅を突いていくとギリギリまで回生をしているのか停止直前のクラッチを切り離すタイミングで僅かにギクシャク(気にしなければ分からないレベル)するシーンもありますが、それ以外は超滑らかです。
次世代のスポーツユニットといってもいい存在であり、個人的にはレクサスのセダンタイプに水平展開してほしいと思いました。
新型RXのフットワークはどうでしょうか。
一番の驚きは、いい意味で「走りを主張していない」という所です。
とはいっても、基本性能の高さはいうまでもなく、ステアリング切り出しの滑らかさや正確性の高さ、コーナリング時のフロントのスッキリとした回頭性と絶大なリアの安心感のバランス、サスペンションのスムーズな動き。
バネ上の振動の収まりの良さや重量を活かしたシットリとした乗り味、凹凸を優しく吸収しつつもフワフワさせない乗り心地などを含めた「走る・曲がる・止まる」の性能は、先に登場したNXよりも粗さがなく、確実に洗練&精緻に仕上がっています。
今回、さまざまなシーンで走らせましたが、街中ではサイズを感じさせない扱いやすさ、高速では抜群の安定感と乗り心地、ワインディングではサイズを感じさせない身のこなしと一体感あるハンドリングを実感しています。
この辺りはリア周りの骨格刷新、サスペンション取り付け部の着力点剛性の確保、接合剛性アップ(レーザースクリューウェルディング+構造用接着剤+短ピッチ打点技術)などがおこなわれた新世代プラットフォーム(筆者はGA-Kフェイズ2と呼ぶ)の採用、低重心化やホイールベース/トレッド変更、ヨー慣性モーメント低減などの素性の刷新。
さらに新開発のリア・マルチリンク式サスペンションをはじめとする各機能部品のハーモニーが、それらを実現させているのでしょう。
ダンパーはノーマル系がメカサスとAVSが選択可能、FスポーツはAVSのみの設定ですが、メカサスだけ乗っていると「AVSいらないかも!!」と思うくらいハンドリングと快適性のバランスは高いですが、AVS付きに乗ると「上には上があるよね」を実感。
要するに先代のようにマイナス→プラスではなく、ゼロ→プラスの進化が感じられます。
ただ、ノーマルとFスポーツの違いは解りにくくなっているのも事実で、制御の幅をもっとキャラクターに活かしたほうがいいと思います。
これらの強力な武器に加えて、NXでの経験・知見も活きているのでしょう。
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