クルマのシフト「Nレンジ」いつ使う? 運転中の使用はNG!? 「ニュートラル」の本当の役割とは
AT車でもMT車でも、クルマのシフトには「Nレンジ」が存在します。普段の運転では使われることがないNレンジですが、一体どんなときに使うものなのでしょうか。
普段は使わない「Nレンジ」なぜ存在する?
クルマにはエンジン出力を駆動装置へ伝える部品としてトランスミッション(変速機)が搭載されています。
車種によって異なりますが、AT車シフトレバーは「P→R→N→D→2→L」、MT車の場合は「N→1→2→3→4→5」などと車速に応じて各速のギヤがあり、車速の上昇とともに変速、ギヤを上げていきます。

そして、AT車、MT車の両方に「N(ニュートラル)」がありますが、走行中に使用することはなく、その役割や目的についてはあまり認知されていません。
Nレンジにはどのような役割があるのでしょうか。
エンジンの出力がタイヤに伝わるまでは、「エンジン→クラッチ→トランスミッション→プロペラシャフト(後輪駆動車の場合)→デファレンシャル(差動装置)→ドライブシャフト→タイヤ」と、さまざま装置や部品を介して伝達されます。
クルマを停車させてエンジンを切るときは「P(パーキング)」を使用しますが、「Pレンジ」はトランスミッションギヤボックス内のシャフト(駆動軸)をロックする役割があります。
一方で「Nレンジ」はシャフトがロックされない状態で、エンジンがアイドリング状態またはアクセルを踏んで回転数が上昇をしてもエンジン出力が駆動装置へ伝達されません。
「Nレンジ」はエンジン出力が伝達されないことから、例えば踏切横断中にエンジントラブルが発生してクルマが動かいない状態などに使用することで、クルマを人力で動かすことができます。
また、クルマが故障して動かせなくなったとき、レッカー車で牽引したり、積載車にのせて運搬しますが、このような緊急時に「Nレンジ」を使用することでスムーズに対応することが可能です。
緊急トラブル時は焦ってしまいがちですが、「Nレンジ」はクルマを押して動かせると覚えることで緊急時でも慌てずに対処できるでしょう。
















