なぜトヨタは新型「クラウン」に純正ドラレコを採用? 後付不要の「メーカーオプション」 標準装備化は出来るのか
2022年7月15日に発表されたトヨタ新型「クラウン」には車載カメラを使った「ドライブレコーダー(ドラレコ)」が初採用されました。これまでの純正ドラレコとは何が違うのでしょうか。
なぜ新型クラウンには車載カメラを使った純正ドラレコが採用されたのか?
走行中の様子を記録できる「ドライブレコーダー(ドラレコ)」は、近年話題となる「あおり運転」などに遭遇した際に証拠となることから、装着率が高まっています。
これまでのドラレコといえば、後からカメラを装着するタイプが大半でしたが、2022年7月15日に発表されたトヨタ新型「クラウン」では車載カメラを用いて後付しないドラレコを初採用しました。
ドラレコは、車載カメラで車両周囲の様子を常時撮影し、映像と音声を、内蔵メモリやSDカードなどに記録する装置です。
ドラレコがあれば、もらい事故やあおり運転の現場なども映像や音声で記録として残すことができます。
実際に普及も進んでおり、ソニー損保の「2022年全国カーライフ実態調査」によると、2022年現在のドラレコの搭載率は49.3%にも及び、ここ数年で普及率は急増しています。
しかしこれまでの新車には、ドラレコが新車時の純正装備として採用されず、そのほとんどがディーラーオプションとして設定されるのに留まっていました。
実際に日産では、複数の「前後2カメラ」をディーラーオプションとして設定。ホンダでは純正アクセサリーを扱うホンダアクセスから「前後車内3カメラ」と「前後2カメラ」をディーラーオプションとしてラインナップしています。
マツダは、「前後2カメラ」と「フロントのみ」をディーラーオプションで設定していました。
これらは共通して、各社の純正カーナビとの連動やスマホ連携などを特徴としていおり、「純正ドラレコ」として展開されています。
しかし、工場の製造ラインにておいて装着される「メーカーオプション」とは異なり、販売店に到着した際に後付けされる「ディーラーオプション」です。
そうしたなか、7月15日発表の新型クラウンをはじめ、同月19日発表の新型「ヤリスクロス」、同月25日発表の新型「ヤリス」には「ドライブレコーダー付自動防眩インナーミラー」がメーカーオプションとして設定されました。
新型クラウンに搭載されるドラレコは、別のカメラを後付することなく、車両前後に付けられた車載カメラの映像を内臓メモリに常時録画し、録画した映像はディスプレイオーディオの大画面で再生出来るものです。
また、トヨタでは2020年にフルモデルチェンジした「ハリアー」において、「デジタルインナーミラー(前後方録画機能付)」のルームミラーが初採用されており、一部グレードを除いて標準装備されていました。なお、これは映像再生機能などはなく、一般的なドラレコとはやや異なったものでした。
では、なぜ今回の新型クラウンでは、車載カメラを使った純正ドラレコが採用されることになったのでしょうか。
トヨタの広報担当者は、以下のように話します。
「ハリアーの『録画機能付デジタルインナーミラー』については、車両前後の映像を記録することだけに機能をフォーカスしています。
そのため、一般的なドライブレコーダーの持つ機能を一部備えていないため、録画機能付デジタルインナーミラーと呼んでいました。
今回の新型クラウンは、『音声記録やプレビューができない』、『駐車時の監視に未対応』、『カメラ画角が狭い』というような従来の機能には備わっていない点に対応できたことにより、一般的なドライブレコーダーと同等の機能をご提供できるようになったため、“ドライブレコーダー”として設定した次第です」
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なお新型クラウンのドラレコカメラは、「ADAS(先進運転支援システム)」用の車載カメラを併用しており、これらの連携が技術的に可能になったことも理由のひとつとなっているようです。
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