「24時間走り切る…」 カイゼン続けた「GR86/SUBARU BRZ」が富士24時間に挑む! マシン解説&予選はいかに
決勝(24時間レース)の前に予選に挑む! BRZ CNFコンセプトに思わぬトラブルが…
予選は、6月3日の12時から15時まで、エントリーしたドライバーのうちA/B/C/Dの4人が走行、E/Fドライバーはその後のフリー走行に参加します。
そうしたなかで、2台の予選はどうだったのでしょうか。
予選タイムはA/Bドライバーのタイムの合算となりますが、GR86 CNFコンセプトは3分51秒843、BRZ CNFコンセプトは5分38秒316と大きな差がありました。
BRZ CNFコンセプトはAドライバーである井口卓人選手のアタック時に、エンジンの制御系にトラブルが発生したため、まっとうなタイムアタックが出来なかったのです。それが判明した瞬間、スバルのピットはかなりザワつきましたが、原因がすぐに特定できたのでひと安心。
ただ、今回はこの2台の戦いに割って入ってきた伏兵がいます。
それはST-4クラスに参戦するTOM’S SPIRITの「TOM’S SPIRIT GR86」です。
ST-Qに対して認められる改造範囲が狭いにもかかわらず、各部にレース屋のノウハウを投入されたマシンは予選タイム3分52秒434(最速ラップ1分55秒823)と、GR86 CNFコンセプトに迫るタイム。
かたやガソリン、かたやカーボンニュートラル燃料と、使用する燃料こそ違いますが、同じエンジンを搭載しているBRZ CNFコンセプトとの差はなんでしょうか。
その秘密をチームに聞いてみると「軽さじゃないかな?」と。
もちろんスバルも軽量化は頑張っていますが、量産メーカーが考える軽量化とレース屋が考える軽量化は手法/手段がちょっと違うようです。この辺りも学びはあったようです。
予選後、富士スピードウェイ・西ゲートに建てられたルーキーレーシング工場で記者会見がおこなわれましたが、この場にBRZ CNFコンセプトのドライバーである井口卓人選手、山内英輝選手も参加。
この辺りは、ORC ROOKIE Racingから「ORC ROOKIE GR Corolla H2 Concept(水素カローラ)」で参戦するモリゾウ選手の粋な計らいのひとつで、「一緒にいいクルマをつくろう」を実践してきたGR/スバルの関係性が垣間見える部分です。
記者会見の後に、ドライバーとメディアの懇親という新たな試みがおこなわれましたが、そのなかで山内英輝選手が豊田大輔選手に対してライバル心を異様に燃やしていたのが印象的でした。やはりタイムで負けたのが相当、悔しかったのでしょうか(笑)。
このように、公式テストでの結果を踏まえてカイゼンされた2台のマシン、そして助っ人を加えたドライバー達は予選日を終え、本戦に臨みました。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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