車の窓ガラスの撥水コーティング「フロント」だけで大丈夫? 全窓やる? 施工すべき窓はどれ?
梅雨入り前は、クルマの窓に撥水コートを施すには良いタイミングです。撥水コートはフロントだけで良いのか、それともすべてのウインドウに塗ったほうが効果は高いのか、実際どうなのでしょうか。
撥水コーティングは全部の窓に施したほうが良いの?
本格的な梅雨になる前に、クルマのウインドウに「撥水コーティング」を施工しておけば、雨天での運転でも良好な視界を保てます。
撥水コーティングは、もともとは航空機用として海外で開発されたといわれていますが、国内でその存在が広まったのは1991年にソフト99が発売した「ガラコ」(初代)。当時は折り畳んだティッシュに液剤を含ませ少しずつ塗り込む方式を採用していました。
その後、他社から、容器と塗り具を一体化させたものやウォッシャー液に溶剤を含ませたタイプなどが登場。
またワイパーにコーティング材を含ませ、ワイパーを使用するたびに必要な部分が手軽に撥水できるタイプも登場するなど進化を続けています。
現在、撥水コーティングは大まかに2種類あり、さらに材質も2種類あるようです。そのあたりを埼玉県のF整備士に聞いてみました。
「ウインドウコーテイングには大きく2種類あります。一般的なのが『撥水コーティング』で、これは水玉状に水を弾き、走行による風やワイパーとの併用でウインドウに水を付着させないものです。
もうひとつが『親水コーティング』と呼ばれるもので、これは水を弾くのではなく薄い水膜を表面に形成させるというものです。
そのどちらも降雨走行でのクリアな視界の確保を目的としているのですが、やはり水を弾くほうが効果を実感しやすく、また走行中の状況では安定した水膜を保てないため、撥水コーティングが主流となっています」
そんな撥水コーティングにも、また素材で大別して「シリコン系」と「フッ素系」の2種類があります。その違いはどんなものなのでしょうか。
「カー用品店などで購入できるDIY向けの撥水コーティングのほとんどが『シリコン系』と呼ばれるもので、施工のしやすさが特徴です。ただし効果はそれほど長続きせず、2、3か月で新たに施工する必要があります。
一方、コーティング専門店などで使用しているのが『フッ素系』です。持続期間が6か月程度と比較的長めなのがメリットですが、施工後の乾燥時間が1時間近くかかるなど手軽にできないのがデメリット。
水を弾く効果はそれほど大きく違わないのですが、自分で作業するなら扱いやすいシリコン系で十分だと思います」(F整備士)
撥水コーティングの種類と効果がわかったところで、問題は「どのウインドウまで施工するべきか?」ということです。
撥水コーティングといえばフロントウインドウに施工する人がほとんどですが、ワイパーのあるフロントウインドウより、ワイパーがないサイドウインドウのほうがメリットがありそうな気がします。
できる限り全部のウインドウに施工したくなりますが、撥水コーティングのメリットを受けやすいのはどのウインドウなのでしょうか。
「フロントウインドウに施工するのは当然ですが、撥水コーティングの依頼を受けた場合は前席のサイドウインドウまで施工しています。
ワイパーがなく、濡れたままの状態になるサイドウインドウにもコーティングは有効です」(F整備士)
ただしサイドウインドウに関しては、必ずしも撥水コーティングが良いとはいい切れず、親水コーティングのほうが適している場合もあるそうです。
「サイドウインドウは雨天時には濡れたままの状態が多いので、その状態でも視界を確保しやすい親水コーティングが向いているともいえます。
また、リアウインドウにワイパーが非装着の場合も親水コーティングで良いでしょう。
ただ、水玉状に水を弾くのが好きなら撥水コーティングを施すのもアリだと思います」(F整備士)
※ ※ ※
注意が必要なのがドアミラーへの施工です。
ドアミラーはその形状ゆえに走行風があまり当たらないようにできています。そのため表面に付いた水滴を飛ばすことが難しく、それならさらに撥水効果が強い超撥水コーティングか、またはコーティングをしないというのも選択肢となります。
「個人的には、ドアミラーに関しては撥水コーティングをしなくても大丈夫だとは思いますが、これは個人の好みにもよります。
またコーティングには防汚効果もありますので、コーティングしても問題はないでしょう」(F整備士)
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