オールシーズンタイヤは冬道でも本当に大丈夫? スタッドレスタイヤと実際どこがどう違う?

どんな人にオールシーズンタイヤは向いている?

 まずは195/65R15 91Hサイズを装着したトヨタ「プリウス」で、長野県・白馬五竜スキー場周辺を走行します。

ダンロップ「オールシーズンMAXX  AS1」を装着したトヨタ「プリウス」で雪道を走行
ダンロップ「オールシーズンMAXX AS1」を装着したトヨタ「プリウス」で雪道を走行

 今シーズンは全国的に降雪量が多かったといわれますが、ここ長野でも同様だったといいます。3月前半だったのにもかかわらず、試走会前日にもかなりの雪が降りました。スキー場周辺の一般道は除雪車が入り、どこもきれいな圧雪路になっていました。

 そんななか、ダンロップ・オールシーズンMAXXを装着したプリウスは、とにかく何事もなく走行できます。発進・加速、そして減速・制動。制限速度内で走るぶんには、ヒヤッとすることもなければタイヤを意識することもありません。

 ただし、一般道ではさまざまな路面が存在します。コーナーリング中、アイスバーンになっている場所で横に滑り、プリウスのVSC作動ランプが点灯しました。それほど速度も出ていないため、ヒヤッとすることはありませんでしたが、スタッドレスタイヤ装着ならば普通に走れるようなところです。

 午後は215/60R16 95Hサイズを装着したホンダ先代型「ヴェゼル」で走ります。

 朝は氷点下だったのですが、この日の日中の気温は10℃を超え、路面状況もみるみる変化していきます。朝方プリウスで通った圧雪路が、午後には完全にドライ路面になっていたほどです。ヴェゼルでは国道148号を中心に走りましたが、路面はドライもしくはウエット路が中心でした。

 ドライ路面では、オールシーズンMAXXはほとんどタイヤのクセを感じません。オールシーズンタイヤでありがちな「シャー」というパターンノイズもあまり目立ちませんし、ハンドリングもシャープでもなく、かといってダルくもなく、感覚的にはスタンダードなエコタイヤに乗っているイメージです。

 実際に長期間走って試したわけではないので、転がり抵抗性能や高速性能などはわからないのですが、たしかにこれならば、春/夏/秋とそのまま装着していても、ネガティブな印象は受けないと感じました。

※ ※ ※

 全体的に好印象だった試走でしたが、ぶっちゃけオールシーズンタイヤはどんな人に向いているのでしょうか。

 オールシーズンタイヤのメリットは、その名のとおり1年中履き替えなしで装着できることです。これにより年2回のタイヤ交換の手間がなくなりますし、外したタイヤの保管場所に苦労することもなくなります。

 日本の冬道で一番過酷なのは、アイスバーンと呼ばれる凍結路です。日本においてスタッドレスタイヤは、こうした凍結路でいかに短い距離で止まるようになるのか、進化し続けてきた長い歴史があります。オールシーズンタイヤは、アイスバーンでの制動距離はスタッドレスタイヤにはまったく敵いません。そういった意味では、降雪地域のユーザーは冬にオールシーズンタイヤを履くのはオススメできません。

 かといって、オールシーズンタイヤが都会派ユーザーだけのためのタイヤかというと、じつはそうでもありません。いつもは雪の降らない都会でも、雪が降ると裏道などでは1週間ほど凍結する場所があります。こうした凍結路が発生しやすい場所の近くに住むドライバーは、冬はスタッドレスタイヤ、夏はサマータイヤを装着するほうが良いと思います。

 一方、降雪地域のドライバーでも、夏タイヤの代わりにオールシーズンタイヤを選ぶという選択肢もあります。こうすることで、季節はずれの突然の雪にも対応できます。自分のライフスタイルに合わせたタイヤ選びをしたいところです。

【画像】オールシーズンタイヤって本当に雪道でも大丈夫!? 実力を画像でチェック(20枚)

「えっ!カッコいい!」 マツダの「スゴいSUV」登場! どこが良いの?

画像ギャラリー

1 2

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

4件のコメント

  1. 一年中履き替えが必要ないって事は一年分溝が無くなるって事です
    スタッドレスは冬期だけなので大体3ヶ月程度ですがその4倍も走ってる訳です
    よくYouTubeでアップされるのは新品ばかりてグリップ力もそこそこありますけど一年後はどうでしょうかね
    坂道は上がらないと言っても過言ではないです

    • そもそもスタッドレスと違って年中はいているので交換時期になったら交換するだけ。
      消耗頻度も違う。

  2. 私の経験値から言うと机上の空論です。スパイクタイヤ時代にスパイクの無いスノータイヤで夏道冬道を走りました。問題無く走りました。結論はタイヤに合わせた走り方です。現在のスタッドレスタイヤは高性能なのでオールシーズンタイヤと比較の基準とするのは乱暴と思います。オールシーズンタイヤの主流の欧州や米国でオールシーズンタイヤで走ってみて評価するべきではないでしょうか?

  3. 圧雪・凍結(ブラックアイスバーン)はオールシーズンタイヤはお勧めしないということだったかと。
    例えば関東の都市部でしたらオールシーズンタイヤでも構わないけど、北海道と青森、日本海側の秋田から新潟・長野~石川・福井くらいまではオールシーズンタイヤは厳しいのでは。
    ちなみに岩手県の滝沢市から盛岡市の市街地のスケートリンク並の路面は、例えブリジストンのスタッドレスでも恐怖体験を味わえるでしょう。

    つまり、オールシーズンタイヤで豪雪地帯や太平洋側の内陸の盆地に行くのは自殺行為に近いかも。
    ここ数年は十数年前と違って冬の間は常に雪深いということは無いですし、降る時はおもいっきり降るという印象で、それ以外は路面が乾いているときもあります。でも、天気予報が全く役に立たない昨今では、急なドカ雪は常に想定の範囲として安全・安心を最優先とするなら、少なくともオールシーズンタイヤ+スパイクチェーンでしょうね。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー