クルマの「ウイング」意味は? 巨大なほど速くなる? ど迫力GTウイングのメリット・デメリット
スポーティなクルマやレースマシンなどには通称「GTウイング」というモノが取り付けられています。装着することで速くなるのでしょうか。また大きさは速度に関係しているのでしょうか。
GTウイングを取り付けるとスピードは速くなる?
クルマのカスタム、チューニングのひとつとしてボディ後方に「ウイング」や「スポイラー」を装着することがあります。
スポーティなクルマでは純正で装着されていることもありますが、実際に装着の有無で速くなるのでしょうか。
ウイングやスポイラーは、厳密には仕組みは異なるもののどちらも空気の流れを用いてダウンフォース(地面にクルマを押し付ける力)を発生させるパーツです。
とくに、レースマシンなどに装着されるウイングから「GTウイング」と呼ばれることもあります。
では、GTウイングを装着することによってさらにスピードが速くなるのでしょうか。
スポーツカー向けのエアロパーツメーカーの担当者は、GTウイングについて次のように話します。
「GTウイングをクルマに装着することによって、必ずスピードが速くなるわけではなく、むしろスピード自体は、ウイングの重量や空気抵抗によって遅くなります。
ですが、レースやサーキットで走行する際には、タイム短縮の効果が得られる可能性があります。
その理由として、GTウイングを装着することによってダウンフォースが発生し、コーナーでの安定性や高速で走行した際のブレーキ時に車体が安定することが挙げられます」
ダウンフォースとは、走行する際に空気の流れによって生じる、クルマが地面に押し付けられる力のことです。
この力が働くことによって、より地面と接地するため、高速走行時の車体の浮きを抑制することができます。
それにより、レースやサーキットなどでの速いスピードでも遠心力が小さくなり、コーナリングが安定します。
このことから、GTウイングはレースやサーキットなどにおいて、タイムをより縮めるための大きな役割を果たしていることが予想されます。
一方で、レースやサーキットで活躍するスポーツカーに装着されているGTウイングにはさまざまな大きさのものがありますが、大きければ大きいほどスピードが速くなるのでしょうか。
前出の担当者は、GTウイングの大きさとスピードの関係性について「大きければ大きいほど速度が上がるということはあまり考えられません」といいます。
理由として、GTウイングが大きければ大きいほど、受ける風の量も大きくなり、さらに重量も増すことから、最高速度自体が遅くなることが考えられます。
そのため、前述したようなダウンフォースの効果を十分に獲得するためには、用途に応じた形状やサイズのものを取り付けることが理想的です。
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