「限定」というキーワードの訴求力が凄すぎ! 2021年を彩った限定車3選
人々を引きつけるキーワードである「限定」。クルマに限らず限定販売というと、心理的に手に入れたくなるものです。そこで、2021年に登場した魅力的な限定車を、3車種ピックアップして紹介します。
2021年に販売された特別かつ魅力的な限定車を振り返る
多くの人々を惹きつける魅力的なキーワードのひとつが「限定」です。近年では洋服やスニーカーといったファッションアイテムの限定モデルの争奪戦が繰り広げられ、話題となりました。
また、クルマの世界でも大いに魅力的な存在なのが「限定車」です。とくにモデルライフの最後に発売される限定車は、やはり争奪戦が起こり、中古車がプレ値で店頭に並ぶことも珍しくありません。
限定車にもさまざまな種類があり、ちょっとした装備の追加やカラーリングの変更など、ライトなモディファイがおこなわれたり、出力の向上やメカにも手が入れられるなど、ハードにチューニングされるモデルも存在。
そこで、2021年に登場した魅力的な限定車を、3車種ピックアップして紹介します。
●ホンダ「NSX タイプS」
ホンダは2021年8月30日に、スーパースポーツモデル「NSX タイプS」を発表しました。日本国内では30台、全世界で350台の限定販売で、日本での正式発売は2022年7月の予定です。
2016年8月に登場した2代目NSXは、世界で通用するパフォーマンスのスーパーカーとして開発されたモデルで、1990年に発売された初代NSXの「誰もが快適に操ることができる人間中心のスーパースポーツ」というコンセプトを受け継ぎました。
パワーユニットは、リアミッドに搭載した3.5リッターV型6気筒ツインターボエンジンに1基のモーターを組み合わせ、さらに左右の前輪に独立したふたつのモーターによる3モーターハイブリッドシステム、「SPORT HYBRID SH-AWD」を採用。システム最高出力581馬力を達成しました。
NSX タイプSでは、燃焼効率改善や過給圧アップなどによりエンジンの出力向上を実現したほか、モーターに電力を供給するIPUのバッテリー出力や使用可能容量を拡大。これによりシステム最高出力は29馬力アップした610馬力まで引き上げられました。
ほかにも各走行モードの最適化や減速時に瞬時に適切なギアにシフトダウンできる「パドルホールド・ダウンシフト」を採用。
外観では、前後バンパーが新デザインとされ。空力性能と冷却性能の高次元で両立。レース経験のあるエンジニアとデザイナーによるシミュレーションや風洞実験、走行試験を何度も重ねたことで仕立てられました。
そして、このNSX タイプSの生産をもって、2代目NSXの歴史に幕が下ろされます。
●日産「GT-R Premium edition T-spec/GT-R Track edition engineered by NISMO T-spec」
日産は2007年に「GT-R」を発売。最高出力480馬力を誇る3.8リッターV型6気筒DOHCツインターボエンジンと、新開発の4WDシステムを搭載し、高いコーナリング性能と300km/h以上のトップスピードを達成するなど、スーパーカーに匹敵する性能を実現しました。
すでに誕生から14年を経過したGT-Rですが、これまで操縦性や信頼性、乗り心地に至るまで繰り返し改良がおこなわれており、エンジンも最新のモデルでは最高出力570馬力を発揮するまで進化を果たしました。
2021年9月には2022年モデルが発表され、同時に特別仕様車の「GT-R Premium edition T-spec」「GT-R Track edition engineered by NISMO T-spec」がデビューしました。
両モデルには専用カーボンセラミックブレーキ、カーボン製リヤスポイラー、専用エンジンカバー、専用バッヂ(フロント・リア)を装備。
GT-R Premium edition T-specには、専用の内装コーディネーションが施され、専用RAYS製アルミ鍛造ホイールを採用することでバネ下質量の軽量化を生かし、サスペンションも専用セッティング。ホイールリム幅拡大によるタイヤの高剛性化と相まって、軽快でスムーズなハンドリングを実現しています。
また、GT-R Track edition engineered by NISMO T-specには、専用カーボン製ルーフ、カーボン製トランクリッドを特別に装備。さらなる軽量化を実現したボディによって、圧倒的なパフォーマンスを発揮します。
この2台のモデルは合計100台限定で抽選販売され、すでに終了しています。
●トヨタ「カローラツーリング アクティブライド」
トヨタは2019年9月に、12代目となる「カローラ」シリーズを発売。ボディタイプはセダンに加え、ステーションワゴンの「カローラツーリング」を設定しました。
カローラツーリングは今では数少ない国産ステーションワゴンであるだけでなく、シャープなデザインとなったフロントフェイスと流麗なフォルム、6速MT車をラインナップするなど、スポーティな面を強調したモデルです。
パワーユニットは、1.8リッター直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッドと、1.8リッター直列4気筒自然吸気、1.2リッター直列4気筒ターボの3タイプですが、2021年4月に限定500台で販売されたアウトドアテイストの特別仕様車「カローラツーリング アクティブライド」では、特別なエンジンを搭載。
カローラツーリング アクティブライドのエンジンは、「RAV4」やレクサス「UX」と同型の2リッター直列4気筒、最高出力170馬力を発揮する「ダイナミックフォースエンジン」で、高効率かつ高出力という特徴があり、今では貴重な2リッター自然吸気エンジンです。
トランスミッションもパドルシフト付10速スポーツシーケンシャルシフトマチック(CVT)と専用の仕様が組み合わされました。
外装では、特別色にブラック塗装を施した17インチアルミホイール、ダークグレーメタリック塗装のルーフレールを装備。内装は撥水加工されたスポーツシートに、オレンジステッチをあしらったインパネによって、機能的かつスポーティな印象です。
この特別なエンジンを搭載したカローラ ツーリングは、2020年6月に同じく500台限定の「カローラツーリング “2000 Limited”」もありました。
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冒頭にもあるように、限定車は価格高騰しています。とくにファイナルエディションや高性能車では、転売目的で買うユーザーもいて、問題になっています。
とはいえ、法的には何らとがめられることはなく、現状ではモラルに訴えるしかない状況で、メーカーも根本的な対策はありません。
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