阪神高速の「乗継制度」って何? 首都高でも導入してほしい便利&おトクな制度とは
首都高でおこなえば慢性的な渋滞を回避できる場所も
ただし、阪神高速乗り継ぎ制度には、いくつかの注意点があります。
まず、乗り継ぎの対象となる入口で乗るべき方面が指定されている場合、異なる方面への利用は制度の対象となりません。
また乗り継ぎにはパターンごとに30分から90分の「有効時間」が指定されており、ETCの場合は自動的に記録され、現金の場合は乗継券に印字されます。この時間を過ぎての乗り継ぎは新たな利用とみなされるため、制度の対象となりません。一般道に流出してからコンビニなどに寄り道する場合は、時間に留意する必要があります。
さらにこの制度の趣旨が「まだ整備が未完成で接続されていない箇所等について、路線が完成するまでの一時的な措置等」であることから、新たな路線の開通にともない、対象から外れることもあります。
なお首都高には東京高速道路(KK線)を経由する乗り継ぎ制度があります。
これは都心環状線支線が接続する白魚橋乗継所、八重洲線が接続する西銀座乗継所から都心環状線が接続する汐留乗継所の相互間で、首都高からKK線、そして首都高と通行しても、首都高を連続利用したと見なす制度です。
ただKK線はふつうの一般道と異なり、全線高架で首都高都心環状線、八重洲線を補完する関係であることから、阪神高速の乗り継ぎ制度とはかなり異なるものといえるでしょう。
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では、阪神高速の乗り継ぎ制度に類するものを首都高に採り入れ、もっと便利にすることはできないものでしょうか。
たとえば1号上野線下り入谷出口からは一般道(国道4号)を使えば、中央環状線千住新橋入口に比較的スムーズに乗り継げます。
大師JCTがハーフJCTのため相互通行できないK1号横羽線の都心方向とK6号川崎線の東京湾アクアライン方向は、大師出入口での乗り継ぎができればとても便利になります。5号池袋線上り板橋本町出口からS1号川口線鹿浜橋入口に乗り継ぐことができれば、板橋JCTや江北JCTの慢性的な渋滞を回避できます。
つい先日、首都高は事実上の「大幅値上げ」を発表しました。他の高速道路との料金格差がその理由とされていますが、利用者が痛みを感じる値上げだけでなく、こうした利用者にメリットのある制度の導入も、ぜひ検討してほしいものだと思います。
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