四半世紀前のクルマとは思えない!? 2022年に発売から25周年を迎える車3選

新型車が発売されてから年月が経過して、5年、10年と節目を迎えますが、大きな通過点のひとつに発売25年があります。そこで、2022年に誕生から25年を迎えるクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

2022年に発売から四半世紀を迎えるクルマを振り返る

 新型車が発売されると、生産を終えても5年、10年と経過する節目を迎えます。ひと昔前では、クルマの寿命は10年、10万kmといわれていましたが、いまや10数年を経過しても現役のクルマが多数存在します。

2022年で誕生から25周年という大きな節目を迎えるクルマたち
2022年で誕生から25周年という大きな節目を迎えるクルマたち

 そして、クルマに限ったことではありませんが大きな節目というと25周年があり、2022年に登場から25年が経過するクルマなら1997年にデビューしたモデルです。

 1997年の出来事といえば、サッカー日本代表が初めてワールドカップ出場を決めた「ジョホールバルの歓喜」や、ジェームズ・キャメロン監督作品で空前のヒット作となった映画「タイタニック」が公開されるなど、思い出深いという人も多いのではないでしょうか。

 そこで、2022年に誕生から25年を迎えるクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

●スバル初代「フォレスター」

スバル初のクロスオーバーSUVとしてデビューした初代「フォレスター」

 スバルはクロカン車ではない乗用車系4WDの先駆者といえるメーカーです。そして、1997年に同社初の本格的なクロスオーバーSUVである「フォレスター」を発売しました。

 フォレスターは1992年発売の初代「インプレッサ」のプラットフォームをベースに開発され、外観はボクシーなステーションワゴンタイプを採用。

 デビュー当初のエンジンは2リッター水平対向4気筒ターボのみでしたが、後に2リッターと2.5リッター自然吸気が追加されました。

 駆動方式はAT車がアクティブトルクスプリット方式、MT車がビスカスLSD付センターデフ方式の全車フルタイム4WDとし、都会的なSUVながら最低地上高は200mmと高めに設定され、十分な悪路走破性も考慮されていました。

 一方、2000年には「S/tb」をベースにエアロパーツが装着され、車高をローダウンしてオンロード性能を高めた「S/tb STi」が登場。

 さらに、2001年には専用のスポーツECUにより最高出力250馬力を発揮し、足まわりとブレーキを強化した「STi II Type M」を限定800台で発売するなど、高性能SUVというフォレスターのイメージが確立しました。

 その後もフォレスターは代を重ね、現行モデルは2018年発売の5代目で、グローバルで販売されるスバルの主力車種となっています。

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●トヨタ初代「プリウス」

世界の自動車史に残るほど後世に多大な影響を与えた初代「プリウス」

 トヨタは1997年に、世界初の量産ハイブリッド車の初代「プリウス」を発売しました。

 当時は世界中のメーカーがハイブリッド車の量産化に向けて研究・開発を続けていましたが、どのメーカーも量産化には至りませんでした。

 しかし、トヨタは基礎研究から30年以上もの歳月を経て、初代プリウスの開発に成功しました。

 ボディは空力性能を重視したシャープなウェッジシェイプの4ドアセダンで、パワートレインは最高出力58馬力の1.5リッター直列4気筒ミラーサイクルエンジンと、41馬力のモーターを搭載。

 エンジンとモーターの制御には、駆動配分と発電を制御する動力分割機構とインバーターを組み合わせた、画期的な「THS(トヨタ・ハイブリッド・システム)」が採用されました。

 初代プリウスの燃費は当時として驚異的な28km/L(10・15モード)を実現し、同クラスのガソリン車の2倍の燃費性能を達成。

 その後、トヨタはハイブリッド車を拡充し、他メーカーも次々と開発に成功して、ハイブリッド車はエコカーの主力として急速に普及しました。

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●日産「エルグランド」

今に続くプレミアムミニバン先駆け的存在だった初代「エルグランド」

 日本の自動車市場では、1990年代の中頃からファミリーカーに最適なモデルとして、ミニバンが急激に売れ始め、各メーカーから次々と新型ミニバンが誕生しました。

 そのなかでも、プレミアムミニバンの先駆者となったのが、1997年に誕生した初代「エルグランド」です。

 前身のモデルは「キャバン コーチ」「ホーミー コーチ」で、エルグランドも当初は「キャラバン エルグランド」「ホーミー エルグランド」の車名でデビューし、1999年にエルグランドへと改められました。

 ボディサイズは全長4740mm×全幅1775mm×全高1940mmと堂々とした体躯で、従来のキャブオーバータイプから短いボンネットを持ったセミキャブオーバータイプとなり、メッキパーツを多用した押し出し感の強いフロントフェイスなど、プレミアムミニバンらしい外観デザインです。

 また、リアのスライドドアは左側の1ドアとされ、上位グレードにはパワースライドドアもオプションで選べました。

 内装では7人乗りと8人乗りを設定し、大人でもフル乗車が可能なゆとりある室内空間を確保。

 エンジンは3.3リッターV型6気筒ガソリンと3.2リッター直列4気筒ディーゼルターボの2タイプを全グレードに設定し、フロントに搭載するFR駆動を基本とした2WDと4WDをラインナップしていました。

 フロントがストラット、リアが5リンクのリジッドアクスルの足まわりは、電子制御ダンパーを設定するなど、しなやかな乗り心地を実現しました。

 エルグランドはその後も代を重ね、現行モデルの3代目にも初代のコンセプトが受け継がれています。

※ ※ ※

 発売から25年を経たクルマというと、近年、話題となっているアメリカの「25年ルール」に該当することが挙げられます。

 アメリカでは中古車の輸入に厳しい制限があり、簡単には登録ができないようになっていますが、初年度登録から25年を経過したクルマはクラシックカーという扱いで、排出ガスや安全基準の適合基準が大幅に緩和され、さらに右ハンドルのクルマでも登録が可能となります。

 そのため、「R32型 スカイラインGT-R」に代表される高性能車が、大量にアメリカへ渡りました。

 2022年は、1997年に登場したクルマが、アメリカから注目されることでしょう。

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