スバル新型「BRZ」は加速もコーナーも素直な“リニア感”が気持ちいい! スポーツカーでATもアリ!
MTだけでなくATでもスポーツカーの走りを堪能できる
新型BRZはゆっくり走ると楽しくないのか? 決してそうではないことを、ワインディングロードでの試乗で確信しました。
新型BRZその爽快感は、サーキットの限界走行域よりもむしろ峠道を速すぎないペースで走っているときのほうが深く感じることができるといっていいでしょう。そのスイートスポットがとても味わい深いスポーツカーなのです。
そんな乗り味は17インチのミシュラン「プライマシーHP」を履く「R」グレードでも、18インチでハイグリップのミシュラン「パイロットスポーツ4」を履く「S」グレードでも方向性は同じ。
タイヤのグリップを使い切る限界走行をするのでなければむしろ、「R」グレードの軽快感が好印象です。
また、マニュアルでのシフトチェンジを味わいながら感じたのは、減速しながらMTでシフトダウンする際に重宝する「ヒール&トゥ」のしやすさです。
ヒール&トゥとは、ブレーキを踏みながら同時にかかとでアクセルを踏んでエンジン回転を合わせる運転テクニックですが、エンジン回転が驚くほど正確に定まるからギクシャクしないのです。
これも新型BRZを運転する際の気持ちよさを引き立てる要素だと実感できました。
ところで、新型BRZのようなスポーツカーといえば「ATは邪道」といったイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、「それは違う」と断言できます。
今回はATモデルでも峠道を走ってみましたが、このATはロックアップ機構を備えるおかげでアクセル操作に対するダイレクト感が高いのが自慢。
だからアクセル操作に対してトルコンの滑りを感じる状況は皆無で、「ATだから」といった我慢を強いることはありませんでした。
新型BRZは「ATだからかったるい」と感じることなく、ATでも走りを堪能することができるスポーツカーなのです。AT派なら、自信を持ってATの新型BRZを選んでいいでしょう。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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