ヨコハマから新「ADVAN」2商品が同時登場! 常に進化を続けるグローバルスポーツタイヤブランドを開発者に聞く

新アドバン・スポーツV107はプレミアムスポーツEVにも対応

 アドバンのスポーツ部門のフラッグシップがアドバン・ネオバなら、プレミアム部門の頂点に君臨するのがADVAN Sport(アドバン・スポーツ)です。

 こちらも久しぶりのフルモデルチェンジとなりました。いわゆるプレミアムカーに履かせるイメージがありますが、ネオバとはどういう立ち位置の違いになるのでしょうか。開発者の横浜ゴム消費財企画部 製品企画1グループ グループリーダーの小畑恒平さんに話を聞きました。

ヨコハマの新グローバルフラッグシップタイヤ「アドバン・スポーツV107」
ヨコハマの新グローバルフラッグシップタイヤ「アドバン・スポーツV107」

「カテゴリーがちょっと違うので、まったく同じポジショニングで表すのは難しいんですが、アドバン・スポーツは高級車やプレミアムハイパワー車をターゲットにしてまして、ネオバはもう少し走りとかスポーツとかターゲットが絞られたものになりますので、ブランドでいうと同じような高さにはあるんですけど、狙っているターゲットはちょっと違うという感じでしょうか」。

 ネオバのようにスイートスポットが絞られていないぶん、逆に多くの性能が求められそうなアドバン・スポーツ。静粛性の高さなども必ず求められるそうです。

「音もしかりですが、今回のアドバン・スポーツV107は、先代のV105を継承しつつ、ドライ制動、ウェット制動、高速での操縦安定性、この3つをハイレベルで向上させています。アドバン・スポーツV107は、新車装着の開発から入っていまして、2020年からBMW Mシリーズ、メルセデスAMGなどに、新車装着タイヤとして採用されています。その技術を生かしながら、さまざまなクルマに合うように汎用性を持たせるようモディファイし、一般補修用タイヤとして今回発売しました」

 アドバン・スポーツV107には非対称パターンが採用されており、アウト側がドライグリップ、イン側がウェットグリップというように役割が分けられています。新車装着されたタイヤの細部は、それぞれのクルマによって適正化が図られており若干トレッドパターンが違ってきますが、基本的には同じデザインとなります。

「ドライグリップについては、アウト側の基本ブロックを大きめにして、パターン剛性を高めることによって高速安定性を維持しています。イン側についてはいわゆる主溝を3本と、あと少しアウト側の溝、合わせて3プラス1の4本溝で、とくに耐ハイドロプレーニング性能を上げています。また、サイプのようなものは静粛性を高めるために施していまして、車外の通過音とかを下げるような効果に繋がっています」

――このカテゴリーのクルマは最近マイルドハイブリッドをはじめとした電動化が顕著に進んでいます。今後はBEVの展開も増えてくるであろうことは予想できますし、ますますタイヤに求められる要求は高まりそうです。そうなると、また要求内容も変わってくるのでしょうか?

「BMW iX3で新車装着に採用されていますが、EVは車重もより重いですし、とくに転がり抵抗を下げて欲しい、静粛性を高めて欲しいという要望の比重が高かったりしますね。しかし、アドバン・スポーツは、ひとつのタイヤで、プレミアムなハイパフォーマンスカーからSUV、そしてEVまでカバーするっていうのが特徴だと思っています。ベースとなる技術は変えず、モディファイしながら合わせていくという感じでしょうか。そうすることで、お客様に提供する際のコストメリットも生み出せると思っています」

――でも世界のいろんな道で使われるタイヤとなると、かなり対応が難しいのではないですか?

「そうですね。欧州車を中心としたプレミアムカーと考えると、たとえばドイツのアウトバーンのような高速域で急ブレーキというシーンもあるわけです。日本では考えられないスピード域で、しかも天候もありますから、ドライ路面でもウェット路面でもとなると、もうそれだけで非常に難易度が高いんですね。とくにドライ路面でのブレーキング性能を上げるというのは難しくて。そこがいちばん開発で苦労したところですね。なにかの性能を上げようとすると、他の性能がトレードオフで下がってきてしまう。基本的には先代V105の性能は維持しつつ、ドライとウェットのブレーキングと、操安性を上げるというのが今回の目標だったので、なかなか大変でした」

 グローバルでいちばんライバルが多いカテゴリーだけに、かなりシビアな世界ということで、開発期間もネオバと同じくらい要したといいます。つまり他のタイヤと比べると、それだけ開発期間も長くかかり、手も込んでいるという、いろんな意味でプレミアムなタイヤなのです。

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