ヨコハマから新「ADVAN」2商品が同時登場! 常に進化を続けるグローバルスポーツタイヤブランドを開発者に聞く

2021年12月9日、ヨコハマのグローバルフラッグシップブランド「ADVAN(アドバン)」から、高性能ストリートスポーツタイヤ「アドバン・ネオバAD09」とグローバルフラッグシップタイヤ「アドバン・スポーツV107」という新商品が相次いで日本市場で発表されました。それぞれどんな進化を遂げたのでしょうか。開発者に話を聞きました。

最強ストリートスポーツタイヤとして進化した新ネオバAD09

 ドライ・ウェットグリップ性能を追求した「走りのタイヤ」として、日本で初めてスポーツラジアルタイヤというジャンルを切り拓くことになったのがADVAN(アドバン)ブランドです。現在は、ヨコハマの「高性能」「高品質」「高技術」をアピールするグローバルブランドとなっています。

2021年12月に登場したヨコハマの新グローバルフラッグシップタイヤ「アドバン・スポーツV107」
2021年12月に登場したヨコハマの新グローバルフラッグシップタイヤ「アドバン・スポーツV107」

 その成り立ちは30年以上前にさかのぼります。1976年に欧州で「日本の乗用車用ラジアルタイヤはウェット性能が低い」と指摘されたことを受けて、横浜ゴムは純粋な技術的チャレンジから、世界最高レベルのウェット性能を備えたタイヤの開発をスタート。1978年には第1弾「ADVAN-HF」を送り出したそうですので、アドバンは長い歴史を持つ、スポーツタイヤブランドということになります。

 そんなアドバンブランドから、12月にふたつの新商品が登場しました。ひとつは12年ぶりのフルモデルチェンジとなるヨコハマのスポーツタイヤ、ADVAN NEOVA(アドバン・ネオバ)AD09です。

 そこで、アドバン・ネオバAD09の開発者、横浜ゴム消費財製品開発部 製品企画1グループの佐々木 浩長さんに話を聞きました。

「2013年に一度マイナーチェンジしてますが、この波を打ったパターンは2009年からなので、そこからですと12年ほど経っているんですよね。その間にクルマのほうは、馬力が上がってきたり車重も増えていきまして、そういったハイパワー、高出力のクルマにも対応していこうと、しっかり剛性感を持たせて楽しんで走れるようなタイヤにしていくというのが一番の目標、ターゲットでした」とコメントします。

――ネオバとは、サーキット走行も視野に入れたタイヤなのでしょうか?

「基本的にはストリートで使うタイヤなので、通勤、普段の街乗り、それに加えて週末のサーキットでもしっかり走れますよという感じですね。ストリート最強をコンセプトに掲げてサーキットで鍛えて開発したので、サーキット主体というわけではないですが、サーキットでも長く、楽しく、しっかり走れるタイヤです。」

――なるほど、新型になってもネオバの方向性は変わっていないということで、これまでのファンは安心できそうですが、じつはそこに加えて、今の時代に合わせた進化のポイントがあったのですね。

「タイヤって決して安いものではないので、長く使っていただきたいということもあり、環境負荷や経済性も考慮して、新AD09は非対称パターンを採用しました。クルマも高回転でハイパワーになってくるとタイヤに掛かる負荷も高まってきますが、非対称にすることでタイヤのローテーションが可能になりますので、たとえば1年経ったら左右履き替えると、そうすることでもう少し長く走っていただけるようになるかなと思っています」

ヨコハマの新高性能ストリートスポーツタイヤ「アドバン・ネオバAD09」の開発者、横浜ゴム消費財製品開発部 製品企画1グループの佐々木 浩長さん
ヨコハマの新高性能ストリートスポーツタイヤ「アドバン・ネオバAD09」の開発者、横浜ゴム消費財製品開発部 製品企画1グループの佐々木 浩長さん

――やはり長く使えるというのは、ユーザーにとって嬉しい進化のポイントですね。しかし、非対称パターンは、ネオバ初の試みなので、ストリート最高峰という目指す方向は同じでも、結構大胆なフルモデルチェンジと考えたほうがよさそうです。

「方向性非対称はこれまでもあるんですが、完全な非対称は初ですね。でも、ネオバは見た目のカッコよさも非常に大切にしていますので、グリップ、ロングライフ、そしてデザイン性の3点を考慮して非対称パターンを採用しました」

――最近のタイヤはアウト側でドライ性能、イン側でウェット性能というものをよく見かけますが、今回のネオバAD09もそういった設計となっています。アウト側はできるだけブロックを大きくしてより接地させ、イン側は溝を多めに切って排水性をよくするという役割分担です。この波のようなパターンは従来のAD08Rのものに似ていますね。

「AD08Rのパターンをチューニングしています。一方イン側は、アドバンHFタイプDという、アドバンの歴史的なタイヤがあるんですが、それをイメージするようなパターンを採用していまして、そこから全体の性能を高めるようなチューニングをしています」

――なるほど! 歴史と伝統を盛り込んだという話には、何かロマンさえ感じられるのがイイですね。

「性能も踏まえたうえで、歴史も盛り込んでいます。ちなみにこのパターンは、今回のメイン開発ドライバーの織戸 学選手に監修いただきました。じつは開発は2018年夏ごろからスタートしたのですが、当初は別のパターンを考えていたんです。方向性パターンも検討しましたし、まったく新しいパターンも考えました。しかし、長年の熱烈なネオバファンの織戸選手のお話を伺ったり、実際乗っていただいたりして、イチから作り変えたんですよ。織戸選手の熱い思いをもって、我々も動かされたという感じですね」

 いろんな性能の中でも、いちばんこだわったのはカッコよさだという佐々木さん。確かに遠くからでもより「NEOVA」のロゴが際立つカッコいいモデルに仕上がっています。カッコいいクルマは速い!といわれますが、ストリートやサーキットの伝説と合わせ、ファンも喜ぶに違いありません。

【画像】アドバンブランド2商品が新しくなった! ADVANの歴史を画像でチェック(24枚)

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