寒い時こそベストシーズン!? 冬に屋根を開けて「オープンカー」に乗りたくなる理由とは

軽からスポーツや高級車まで! キャラ違いで楽しめるオープンカー

 オープンカーにはさまざまなタイプが存在しますが、現在日本で販売されているオープンカーの代表的なモデルを紹介します。

●ダイハツ「コペン」

 昨今の軽自動車といえば、広い車内空間と実用性を重視したトールワゴンスタイルが主流です。

 その一方、軽だからこそのコンパクトなボディや小排気量、維持費の安さにより、「遊びグルマ」としても最適なジャンル。そこで注目されるのが、軽オープンスポーツです。

ダイハツ「コペン」
ダイハツ「コペン」

 軽自動車でありながら、スポーツカーとオープンカーをミックスさせた存在として、クルマ好きからは熱い視線が注がれてきたジャンルですが、ホンダ「S660」の生産終了が決定したいま、現行モデルで唯一となるのがダイハツ「コペン」です。

 初代コペンは、丸みを帯びたレトロ調デザインと、軽市販車としては初となる電動油圧ポンプによる開閉式ルーフ「アクティブトップ」を採用したチャレンジングな軽スポーツとして2002年に誕生。660cc直列4気筒のターボエンジンを搭載し、当時のダイハツでは唯一のMTを設定するなど、ダイハツ製軽自動車のイメージリーダーとしても活躍しました。

 現行モデルの2代目コペンは2014年に登場。十分な剛性を確保する骨格構造「D-Frame」により実現した外装着脱構造「ドレスフォーメーション」を採用し、ボディ外板パネルを交換できる仕様としました。

 全長3395mm×全幅1475mm×全高1280mmのボディに、軽規格いっぱいの64馬力を発揮する直列3気筒ターボエンジンを搭載。CVT(7速MTモード付き)と5速MTを用意しています。

 外観は、スポーツカーとしての躍動感を高めた「ローブ」、アグレッシブをテーマとした「エクスプレイ」、初代モデルを彷彿とさせる丸目ヘッドライトの「セロ」、トヨタのスポーツ部門であるGAZOO Racingのノウハウを注入した「GRスポーツ」の4タイプを展開しています(GRスポーツのみダイハツとトヨタが販売)。

 また、前述のドレスフォーメーションによって、ローブとセロはボディ外板パネルを交換できるというユニークな仕様を実現しました。

●マツダ「ロードスター」

 「日本が世界に誇るオープンスポーツ」の代名詞ともいえる名車が、マツダ「ロードスター」です。認知も高く、世界のオープンカー市場にも多大な影響を与えたといわれています。

 もともとは1950年代から1960年代に流行した「ライトウェイトスポーツ」という概念を現代の技術で甦らせたのが、1989年に登場した初代「ロードスター」です。

 扱いやすいコンパクトサイズのボディに、ハイパワーではないけれど素直なNAエンジン、さらにMTを駆使してクルマとの一体感をオープンエアで楽しむという発想で誕生し、世界的な大ヒットモデルへと成長しました。

 現行モデルとなる4代目が誕生したのが2015年。現在のマツダでも受け継がれている「SKYACTIV TECHNOLOGY」と「魂動デザイン」を踏襲し、よりグラマラスなボディラインへと進化しました。

 全長3915mm×全幅1735mm×全高1235mmと幅のみ3ナンバーになりましたが、それでもフロントオーバーハングを短くするなどで「人馬一体」コンセプトは継続。3代目で2リッターまで拡大された排気量を改めて1.5リッターにダウンサイジングするなど、原点回帰な部分もみられます。

 2016年には、リトラクタブルハードトップと2リッターエンジンを搭載したクーペスタイルの「RF」が追加されましたが、こちらもノスタルジーを感じさせるスポーツカーらしいスタイリングで人気モデルとなっています。

 高速でも過不足なく走れるパワーを持つ排気量の普通車サイズのオープンカーは希少であり、その希少さが人気となっています。

●メルセデス・ベンツ「Eクラスカブリオレ」

 ひと言で「オープンカー」といっても、ベース車両によってカテゴリーもさまざま。なかでも、実用性とラグジュアリーさを組み合わせたオープンはひと際高い人気を誇ります。そしてその代表といえるのが、メルセデス・ベンツ「Eクラスカブリオレ」です。

「Eセグメント」と呼ばれるプレミアムサルーンの代表格であり、世界の高級セダンの指標とまでされたメルセデス・ベンツ「Eクラス」は、1985年に初代が登場してから一貫してセダンだけでなく、クーペ、ワゴン、そしてカブリオレ(オープン)を作り続けてきました。

 現行モデルは2016年に登場した5代目(W213)で、複数のボディタイプに幅広いパワートレインを搭載しています。

 Eクラスカブリオレはクーペをベースに全長4830mm×全幅1860mm×全高1430mmとプレミアムサルーンらしいワイドなボディを採用。

 エンジンは1.5リッターターボエンジン+48V電気システム(マイルドハイブリッド)の「E200カブリオレ」と2リッターエンジン搭載の「E300カブリオレ」、3リッターツインターボエンジン&4WDの「E450 4マチックカブリオレ」、さらには435馬力までパワーアップされた「E53 4マチック カブリオレ」をラインナップしています。

 何より、威風堂々とした佇まいのエクステリアと、贅を尽くした高級感あふれるインテリア、しかも4座オープンという非常に贅沢な作りになっています。

 メタルハードトップではなく「アコースティックソフトトップ」と呼ばれる電動格納式ソフトトップを採用していますが、耐候性には問題ありません。

 さらにメルセデス・ベンツらしい世界最高水準の安全性を誇るなど、Eクラスが持つ高い実用性や快適性を確保しつつ、オープンという付加価値を加えた真のプレミアムモデルだといえます。

※ ※ ※

 オープンカーは贅沢なジャンルのひとつとして昔から存在してきたわけですが、所有するだけでもその満足感は格別です。

 眺めているだけでも満足でき、屋根を開けなくても楽しい、屋根を開ければもっと楽しいというモデルになっています。

 とくに寒い風が頭部を抜け、下半身はエアコン&シートヒーターで暖かくして走る、通称「露天風呂」走りは冬のオープン乗りならではの特権でしょう。

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