BMWの水素燃料電池車「iX5ハイドロジェン」まもなく世界初公開 2022年末に市販化予定
独BMWは2021年8月7日、SAV「X5」をベースにした水素燃料電池車「iX5ハイドロジェン」を、同年9月にドイツ・ミュンヘンで開催される「IAAモビリティ2021」で世界初公開すると発表しました。
トヨタと共同開発された燃料電池を搭載したFCV
独BMWは2021年8月7日、SAV「X5」をベースにした水素燃料電池車「iX5ハイドロジェン」を、同年9月にドイツ・ミュンヘンで開催される「IAAモビリティ2021」で世界初公開すると発表しました。
IAAモビリティ2021では、来場者はメイン会場としない中心部の他の展示会場を結ぶレーンで、iX5ハイドロジェンの同乗走行をおこなうことができる予定です。
BMW iX5ハイドロジェンは、同ブランドのSAV「X5」をベースにした燃料電池車(FCV)です。2013年からはじまったトヨタとBMWグループとの製品開発協力により、燃料電池スタックはトヨタから供給され、パワートレインはBMW独自に開発したものとなります。
水素燃料電池技術は、BMWのドライブトレイン戦略において、内燃機関モデル(ICE)、プラグインハイブリッドシステム車(PHEV)、バッテリー駆動車(BEV)を補完する第4のパワートレインとして、可能性を秘めているといいます。水素が再生可能エネルギーで生産され、必要なインフラが整っていれば、BMWグループの電動化を補完することができ、とくに電気充電インフラのない地域や、頻繁に長距離を運転するようなユーザーのニーズに答えることが可能です。
iX5ハイドロジェンに搭載されるパワートレインは第5世代のBMW eドライブシステムと呼ばれるもので、すでに登場している「iX3」(日本未発売)や今後登場する「iX」「i4」にも搭載されると予定です。電気モーターは最高出力374馬力を発生。これはBMWモデルに搭載されているなかでも、もっともパワフルな直列6気筒ガソリンエンジンに匹敵するパワーとなります。
燃料電池システムは、水素と酸素の化学反応によって最大170馬力の電気エネルギーを発生。燃料電池の下にレイアウトされる電気コンバーターが、燃料電池の電圧を電位モーターの電圧レベルに調整し、駆動します。
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製で700バールの圧力に耐える水素タンクふたつが搭載されており、最大で6kgの水素を積むことが可能です。水素の充填にかかる時間は3分から4分で、あらゆる天候下で数100kmの航続距離を確保することができ、さらに走行中にドライブトレインから発生するものは、水蒸気のみとクリーンです。
BMW AGの取締役会メンバーで開発担当のフランク・ウェーバー氏は、「水素燃料電池技術は、とくに大型車クラスにおいて持続可能なドライブトレインのための魅力的な選択肢となり得ます」とコメントする。「そのため、水素燃料電池ドライブトレインを搭載した、ほぼ市販車に近い車両での公道テストは、当社の研究開発における重要なマイルストーンとなっています」
iX5ハイドロジェンは2022年末から市販される予定です。
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