トヨタ新型「ハイエース」で「MIRAI」の潜在力が爆発!? キャンプ用途にも激ハマりなFCVの可能性は

トヨタの欧州法人が「MIRAI」で1回の水素補給による航続距離の記録として1000km超の走行を達成したと2021年5月31日に発表しました。FCVには、どのような可能性があるのでしょうか。

一充填で1000km超の走行を実現した「MIRAI」

 トヨタの欧州法人は、FCV(燃料電池車)の「MIRAI」で1回の水素補給による航続距離の記録に挑戦し、1000km超の走行を達成したと2021年5月31日に発表しました。長距離移動にも対応できる燃料電池車のポテンシャルの高さを示す結果となりましたが、いったいどのようなチャレンジだったのでしょうか。

 またMIRAIのシステムを用いた今後の展開として、燃料電池車にはどのような可能性があるのでしょうか。

トヨタ「ハイエース FCV キッチンカー」
トヨタ「ハイエース FCV キッチンカー」

 現行MIRAIは、新開発の燃料電池ユニットに駆動用バッテリー、最高出力182馬力の駆動用モーター、そして3本の高圧水素タンクを搭載した新しいFCシステムを搭載。

 航続可能距離は初代モデルから約30%延長されており、日本仕様のカタログ値(WLTCモード)で約850kmを実現しています。

 そんななか、フランスの公道で5月26日午前5時43分にスタートした航続距離記録のチャレンジでは、MIRAIにフル充填した5.6kgの水素でどれだけの距離を走行できるかを検証。

 トヨタの欧州法人のエンジニアを含む4人のドライバーは、日常の運転で可能な範囲のエコドライブで距離を重ね、水素無補充で1003kmの走行を達成。これは2021年5月31日時点で世界記録であるとトヨタの欧州法人は説明します。

 終了時点で、車載システムの残走行可能距離は9km残っていました。

 今回のテストで、FCVがガソリン車でいうところの「ワンタンク1000km」を達成する実力があることが改めて立証されましたが、クルマ自体が小さな発電所といえるFCVは、レジャーシーンや災害時における給電能力が高いという特徴もあります。

 トヨタは、そんなFCVの能力を生かす試みとして新型「ハイエース」(海外専売車の300系ハイエース)をベースとした試作車「ハイエースFCV」を開発しました。

 このハイエースFCVは、前出した現行MIRAIのFCユニットと水素タンク2本を搭載したほか、AC系給電機能の装備だけでなく、キャンピングカーへの架装を得意とするトイファクトリーの手によりIHクッキングヒーターなども備えたキッチンカー仕様として登場。

 平時ではイベントや展示会などで、災害時には被災者に飲食物を提供することが可能となります。

 なお、ハイエースFCV(試作車)と現行MIRAIは、ともに一般家庭で使用する電力換算で約4日分の給電が可能ということです。

 従来のキッチンカーでは発電機など外部からの給電が必要となり、騒音や排気ガスが発生するなどの課題がありましたが、FCVのキッチンカーでは騒音や排気ガスが出ないことから、相性は非常に良いといえます。また、騒音や排気ガスが出ないという同様の理由でキャンピングカーとの相性も良好です。

 トヨタによるとハイエースFCVの商品化の予定はいまのところ無いといいますが、今後のFCVの可能性について期待が膨らみます。

 それではここでクイズです。

 次のトヨタの工場のうち、現行MIRAIが生産されるのはいったいどれでしょうか。

【1】元町工場

【2】堤工場

【3】田原工場

【4】トヨタ自動車九州 宮田工場

※ ※ ※

 正解は【1】の「元町工場」です。

 元町工場では初代MIRAIも生産されていたほか、法人ユーザーや自治体などを対象に2020年12月に限定販売が開始された2人乗りEV(電気自動車)の「シーポッド」の生産も元町工場でおこなわれます。

※クイズの出典元:カーデイズ

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