なぜホンダは2世代連続ヒットが難しい? 新型ヴェゼルは「ホンダのジンクス」を破れるか?

ホンダ車は2代目、3代目で失敗することが多いといわれることがありますが、その理由にはどんなことがあるのでしょうか。また2021年4月に発売された新型「ヴェゼル」は、「ホンダのジンクス」を破れるのでしょうか。

せっかくの全面刷新が裏目に出ることが多いといわれるホンダ

 クルマの世界にはいろいろなジンクスがあります。そのなかでも時々聞かれるのは「ホンダ車では初代モデルは成功するが、2代目あるいは3代目で失敗する」というものです。

 時代を遡ると、コンパクトカーの「シティ」が思い浮かびます。初代モデルは1981年に発売され、空間効率の優れた個性的な外観で話題になりました。全長は3380mm、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も2220mmと現在の軽自動車よりも短いです。

新型「ヴェゼル」の路線変更は成功するか?
新型「ヴェゼル」の路線変更は成功するか?

 その一方で全高は1470mmと当時の乗用車としては背が高く、小さなボディでも5名乗車を可能としています。荷室も使いやすく、そこに収まる小さな原付バイクの「モトコンポ」も同時に発売されて注目を集めました。

 ところが1986年に発売された2代目シティは全長が3560mm、ホイールベースも2400mmに伸ばされ、全高は1335mmと大幅に低くなりました。

 初代に比べて話題性が乏しく、商品の性格が大きく変わったことから初代のユーザーは乗り替えにくくなり、その結果、売れ行きは低迷。

 2代目シティは低重心で車両重量も約700kgと軽く、ジムカーナなどの競技では人気車になりましたが、販売面では成功したとはいえませんでした。

 2代目シティでおこなわれた天井を低くするフルモデルチェンジは、ホンダに限らず、どこのメーカーでも失敗することが多いのです。

 背が低くなると走りや燃費では有利になりますが、車内は狭くなり、先代型を知っているユーザーは損した気分になるためです。

 ホンダでは2代目シティの後も、天井を低くするフルモデルチェンジの失敗が続きました。そのなかの1台、ラージサイズミニバンの「オデッセイ」です。

 1994年に登場した初代モデルは、全高が1645mm(B/Sグレード)のスマートなボディと広い室内が注目され、1995年には1か月平均の登録台数が1万台を超える人気車になっています。いまの売れ行きに当てはめると、小型・普通車ではトップ水準です。

 それが1999年登場の2代目は、外観は初代に似た印象で全高も1630mmと同等でしたが、売れ行きを少し下げました。

 そこで2003年に発売された3代目は、ホンダ独自の低床設計に磨きを掛け、2WDの全高を立体駐車場が使える1550mmに抑えました。「サーキットも走れる低重心ミニバン」といわれたのですが、2004年の登録台数は1か月平均で8000台少々。

 発売の翌年に1か月平均が1万台を超えた初代モデルに比べて元気がなく、3代目は2007年には1か月平均が約2600台まで減少してしまいました。

「ステップワゴン」も初代は好調に売れました。発売の翌年となる1997年には、1か月平均で約9200台を登録。2代目も背の高いボディを採用していますが、3代目はプラットフォームを刷新して床が大幅に下がり、全高も2代目に比べて75mm低い1770mmとなりました。

 床が下がったことで、全高を低くしても室内高は1350mmを確保。ミニバンとして不満のない居住空間と、低重心による優れた走行安定性を両立させたにもかかわらず、3代目ステップワゴンの売れ行きが大きく下がり、発売の翌年となる2006年の登録台数は1か月平均が6500台、2008年には3700台でした。

 このほか「ストリーム」も初代は発売の翌年となる2001年に1か月平均で約1万台を登録しましたが、2代目は下落。発売翌年の2007年は、1か月平均が4800台となっています。

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5件のコメント

  1. えっ!既に予約殺到で今年度1番売れると思いますよ。私も買います

  2. 新型ヴェゼルはすごくかっこいいと思う
    ほしいけど金がない😢

  3. 二代目で売り上げが芳しくなくなるのは、売れてる車をフルモデルチェンジでスタイルの大幅変更をするのが大きな要因じゃないかな。例えばフィットは初代から二代目にかけて正常進化させて良くなったけど三代目の大幅変更で下降線、四代目の現行型も期待ほどには売れてないみたいだしね。昔ジャガーの誰かさんが言ってた「性能的には平凡でも格好良ければ売れる」てのがホントのとこだと思うよ。その辺をホンダが理解すれば内容に見合うデザインを考えるようになるかもね。

  4. 新型ヴェゼル、実際には売れてないみたいですね。もうは5月の時点で、販売台数に陰りがみえています。売れてる詐欺もそうそう続くものではないですし、今年一年が山場となりそうです。

  5. 前評判通り、やはり売れない新型ヴェゼル。見た目のかっこ悪さが一番の原因なのだろうか。先代ヴェゼルのように評判がよく売れている車種のフルモデルチェンジは、先代をうまく継承しないと既存ファンが逃げる。

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