「ハマーEV」にジープ「マグネトー」 アメリカン四駆が続々と電動化する狙いとは
アメリカの電気自動車(EV)といえばテスラが有名だが、伝説のSUV「ハマー」がEV化して発表されたのをはじめ、このところ大型SUVやピックアップトラックが相次いで電動化されて登場している。こうした最近の流行は、どうして起きているのだろうか。大型SUVとEVに親和性はあるのだろうか。
ハイパー電動4WD「ハマーEV」にSUVタイプが初公開
2021年4月3日、GMは、GMC「ハマーEVピックアップ」の予約を開始した。第1弾モデルとなるハマーEVエディション1は、2023年初頭の生産が予定されている。
さらに同年4月5日、「ハマーEV SUV」を世界初公開した。これは従来のピックアップトラックタイプではなく、5ドアのSUVボディの電気自動車(EV)で、ハマーEVピックアップよりもホイールベースは9インチ(約229mm)短い126.7インチ(約3218mm)で、最大830馬力のモーターを搭載する。
またGMは4月6日、シボレー「シルバラード」の電動ピックアップトラック版を売り出すことを発表。どちらもミシガン州デトロイトにあるファクトリー・ゼロで生産される予定だ。
ちなみに、GMは2025年までに世界で100万台以上のEVを発売し、北米EV市場のリーダーシップ獲得を目指している。今回のハマーEVやシルバラードEVの発表は、そうしたEV戦略の一環といえるだろう。
一方、ステランティス(元FCA)のジープ・ブランドからは、2021年3月23日に「ラングラー・マグネトー・コンセプト」が発表された。ルーフもドアもない、古典的なジープルックでありながらも、こちらもバッテリー駆動のEVとなる。また、EV専業メーカーであるテスラも、EVピックアップトラックのサイバートラックをすでに発表済みだ。
このように、アメリカでは今、大型SUVやピックアップトラックのEVモデルが立て続けに登場している。今回は、アメリカンSUVとEVとの親和性を考えてみたい。
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まず、アメリカ市場の特異性を理解してほしい。
アメリカの自動車市場で、他エリアと違う大きな特徴は「ピックアップトラックや大型SUVが数多く売れている」ところだ。
新車販売ランキングの上位は、常にピックアップトラックや大型SUVが占めており、とくにフォードの「F150シリーズ」は、過去約40年にわたって販売ナンバーワンの地位を守っている。
巨大なだけでなく、価格も高額なピックアップトラックや大型SUVは、当然のように利益率が高く、自動車メーカーの経営の柱となっている。そのため、環境問題がどれだけ重視されようとも、ピックアップトラックや大型SUVの販売をやめて、効率のよい小型車にシフトすることはあり得ない。自動車メーカーだけでなく、ユーザーも望んでいないのだ。
単純にメーカーのCO2排出量は決まり
オーバーしたら罰金になる‼️