なぜ13年超のクルマは税金アップ? 「納得してない…」それでも旧車に乗る理由

クルマを所有していると、毎年ゴールデンウイークを過ぎた頃に自動車税(または軽自動車税)の支払い通知が送付されます。自動車税はクルマの排気量によって税額が変わる道府県税(地方税)ですが、新規登録から13年を超える古いクルマほど重課されます。旧車に乗っているオーナーに本音を聞いてみました。

13年超のクルマは自動車税+15%! 2008年以前のクルマは重課対象に

 毎年、GWを過ぎたあたりに自動車税(または軽自動車税)の支払い通知が送付されますが、自動車税はクルマを所有する上で毎年支払う義務のある税金です。

 この税金は排気量によって金額が変動するのですが、新規登録から13年を経過したクルマは重課されます。

1988年に発売された日産5代目「シルビア(S13型)」
1988年に発売された日産5代目「シルビア(S13型)」

 最近はクルマ自体の耐久年数が向上している関係で保有年数も長くなっており、古いクルマを大事に乗っているユーザーにとってはなんとも厳しい制度になっております。

 まず、自動車税の内容や目的とはどのようなものなのでしょうか。

 クルマを購入・所有するにあたり、さまざまな税金が必要になります。クルマの購入時や車検時に支払う「重量税」は国に支払う国税なのに対し、毎年4月1日時点でクルマを所有する人が支払う自動車税は、クルマを登録した各都道府県へ支払う「地方税」になっています。

 いまでは重量税も一般財源化されましたが、かつては「道路特定財源」として一般道の整備などに使われていました。

 一方で自動車税は、各自治体が自由に使える一般財源。要するに、どんな用途にも使える税金をクルマの所有者は余分に払っているというわけです。

 ここには「環境負荷」という問題が関連します。クルマは歩行者や公共交通機関とは違い、燃料を燃やしてCO2を含む排気ガスを排出しながら走ることから環境への負荷が大きく、その分多く税金を払うという考え方です。

 そのため、燃費の良いクルマは「グリーン化による特例税率」が適用されますが、逆に古いクルマは環境負荷が大きいとの観点から重課される制度になっているのです。

 ちなみに、グリーン化による特例税率と混同されがちな「エコカー減税」は、自動車税に関わる特別税率で、前者は重量税とかつての自動車取得税(現在は廃止され「環境性能割」に)に適応していました。

 燃費のいいクルマは環境負荷が小さいので税金が安くなるという意味合いは一緒なのですが、管理するのが「国」か「自治体」という違いがあります。

 自動車税の金額は、660cc以上1.0リッター以下が2万9500円。以降、排気量が0.5リッター増えるごとに5000円ずつ増額されていくシステムになっています。軽自動車税は年間1万800円です。

 2019年10月以降に新車登録のクルマは税率が引き下げられており、たとえば660ccを超えて1.0リッター以下は2万5000円に値下げされました。全排気量で自動車税の引き下げがおこなわれていますが、これは1950年の制度創設以来初めてとなります。

 一方、13年を経過したクルマの自動車税は、2リッターエンジン搭載車の場合、基本税額の3万9500円に15%の重課で年額4万5500円と6000円のアップ。

 このアップ率も排気量によって多少の差があり、1.5リッター以下では増額分は5500円、2.5リッターまでは7000円の増額となります。

 軽自動車税の算出方法は少し複雑で、2015年3月末までに登録した軽自動車は年額7200円、2015年4月以降に登録された車両は1万800円となっています。

 軽自動車も13年以上経過していると1万800円に+20%重課された年額1万2900円となっています。

 この変動制税率は、エコ(環境負荷)の観点から新しい環境性能がいいクルマへの乗り換えを促す目的で採用されたものなので、電気自動車(EV)やハイブリッド車は13年が経過しても重課対象外となっています。

※ ※ ※

 重量税についても新規登録から13年以上を経過したクルマは重課されます。重量税の場合は18年以上を経過したクルマはさらに重課されるという、2段階の方式をとっています。

 自動車税とは違い、こちらは重量ごとに重課される率が上昇するのですが、普通車の多くが当てはまる「1.5t以下」は、新車から13年未満は2万4600円(2年)に対し、13年から18年未満は3万4200円、18年以上経過した旧車になると3万7800円と、古いクルマになればなるほど厳しいシステムだといえます。

 なおエコカーは13年以上経過しても重課の対象にはならず、1.5t以下の場合は1万5000円です。

【画像】日本は13年超のクルマに厳しい! 海外に流出する国産スポーツカーたち(35枚)

まさか自分のクルマが… 高級外車のような超高音質にできるとっておきの方法を見る!

画像ギャラリー

1 2

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

9件のコメント

  1. ディーゼル規制みたいに車検に制限を設けることまでしないのが味噌ですね。
    結局はEVの発電〜充電の問題と同じで、規制に適合する為に必要な部品の生産で排出される公害や車自体の重量増しのリスクは追々ですからね。
    以前、まだ乗れるけどエコカーに買い換えました!とかアホな車のCMがありましたがね。
    他人様が自分の古い車を買う金をあてにしてエコカーを買って環境を語ったアホな自動車メーカーはどこのメーカーだったかな?w

  2. 製造から〇年と書いてあるが、自動車税が高くなるのは新規登録から〇年でしょ!?
    いい加減に書いちゃいかんよ。

    • このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
      修正いたしました。

  3. 究極の環境対策は車を捨てない、乗らないことだ。とくにリサイクルの効かない旧車は廃棄する際のリスクが大きい。

  4. 「ビンテージカー」と呼べるような車をリストアップして減税措置をすればいいと思う。

  5. 私は2cvを所有してますが、車税は重課税で33900円です。税制で660cc以上からの設定で660cc未満なのにこの金額です。いい加減にしろ。

  6. 今のクルマは、自分にとっては幅が広すぎるし、窓が天地方向に狭いし、そしてデザイン的に灰汁が強いので乗る気がしません。

  7. 走行距離も考慮して!
    会社近く日に5キロしかのらない、
    休日も乗らない 

    古いだけで決めつけないでほしい

    • 税金を取る方にすれば乗らない人から税金を取るのがおいしいのでしょうね・・・自分の車は24年目で8万キロ弱の走行で税金はガッポリ取られています(´;ω;`)

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー