なぜ13年超のクルマは税金アップ? 「納得してない…」それでも旧車に乗る理由

重課に納得したわけではないが… 旧車オーナーの本音

 13年以上が経過したクルマに乗っているオーナーは、税金の重課についてどう思っているのでしょうか。

 新車から乗り続けている人もいれば、購入した中古車の年式が古くなった人、最初から13年以上経過しているのを分かった上で旧車として購入した人に、古いクルマに乗り続けている理由を教えてもらいました。

2003年から2年しか販売されなかったホンダ「エレメント」
2003年から2年しか販売されなかったホンダ「エレメント」

 まずは、2004年からずっとホンダ「エレメント」(総走行距離29万km超)に乗り続けている、栃木県のTさん(40代・男性)に税金が高くなっても乗り続けている理由を聞いてみました。

「夏はサーフィン、冬はスキーを趣味としているのですが、エレメントは使い勝手で何の不満もないのでそのまま乗り続けています。

 確かに税金が高くなるのは嬉しくありませんが、重課された税金は支払っています。だからといって、新車に買い換える余裕も気持ちもなかなかなくて。

 だいぶクルマもくたびれてきていますが、修理できる部分を直しつつ、まだ現役で頑張ってくれています」

 エレメントは2003年から2005年に販売された超レア車といえる存在。そんなところも載り続けている理由になっているとTさんはいいます。

「まだまだ乗れるのに買い換えるほうがもったいないというか。新しいハイブリッド車の魅力はわかってはいますが、その差額分を埋めるほど走るのかというと微妙です。エレメントは街ですれ違うこともほとんどないので、そんな珍しさも所有を続けている理由のひとつです」

 Aさん(40代・男性)は、数々の輸入車を乗り継いできましたが、現在は2007年式のホンダ「フィット」を足として、趣味の釣りを楽しむために全国の釣りスポットへ出向いています。

「いまはクルマより釣りの道具にお金をかけたくて、ネットオークションでフィットを格安で手に入れました。釣りのポイントは意外に狭い道や低いトンネルを通ることもあるので、コンパクトで小回りが利くクルマにしたかったんです」

 コンパクトさと価格の安さでフィットを購入。製造から14年目に突入しても、ほぼノートラブルで元気よく走ってくれているそうです。

「税金のことはあまり気にせず、欲しいと思ったクルマに乗るようにしています。この前まではBMW『3シリーズ』でしたが、税金を安くしたくて乗り換えたのではなく、あくまで小回りが効いて多少雑に扱っても故障の心配のないクルマとしてフィットを選びました。

 ハイブリッドのようにはいきませんが、1.3リッターエンジンでも燃費は17km/L前後は走ってくれるので、経済性も十分です。古くてもまだ十分現役です」

 最後に話を聞けたのは、あえて「旧車」として1991年式の日産「シルビア」に乗っているMさん(30代・男性)です。

 かつての憧れだったS13型シルビアをフルレストア&オールペイント(全塗装)までしている、いわゆる「旧車ファン」です。

「シルビアは旧車なので、税金が高いのは承知の上でした。それより欲しいクルマを手に入れたい一心で購入しました。

 ウェザーストリップなどゴム製品は新品に取り替え、ボディカラーもブラックを塗り直し、機関部品も全部オーバーホール。ほぼ新車に近い状態です」

 ただ、古いクルマに対しての重課に関しては、納得いかない部分もあるそうです。

「アメリカにも排ガス規制はありますが、21年を超えたクルマは逆に免除になるなど、クラシックカーに対しての理解がある制度になっています。カナダや韓国なども一定期間を経過した古いクルマは免除になるようです。

 日本でもやみくもに重課を背負わせるのではなくて、ちゃんと走る旧車(クラシックカー)に関しては、税率を考え直して欲しいです」

 確かに、排ガス規制とはいいながら、クルマを廃車にして新しいクルマを製造する過程で排出されるもののほうが、古いクルマの排ガスよりキレイとはいい切れない部分もあります。

「むしろ、日本人の美徳であるもったいない精神でいえば、古いものにも良いところがあることを理解してほしいです」

※ ※ ※

 13年超の古いクルマに乗っているオーナーに話を聞く限り、「重課は嫌だけど買い替えたくない」という人が多いことがわかりました。

 確かにクルマは安い買い物ではないので年間数千円であれば、重課されても継続して乗ったほうが良いという気持ちも分かります。

「重課はやむなし」で、それよりも魅力的なクルマに乗り続けたいというのが、旧車オーナーの本音のようです。

ホンダ・エレメント のカタログ情報を見る

日産・シルビア のカタログ情報を見る

【画像】日本は13年超のクルマに厳しい! 海外に流出する国産スポーツカーたち(35枚)

【2023年最新】自動車保険満足度ランキングを見る

画像ギャラリー

1 2

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

9件のコメント

  1. ディーゼル規制みたいに車検に制限を設けることまでしないのが味噌ですね。
    結局はEVの発電〜充電の問題と同じで、規制に適合する為に必要な部品の生産で排出される公害や車自体の重量増しのリスクは追々ですからね。
    以前、まだ乗れるけどエコカーに買い換えました!とかアホな車のCMがありましたがね。
    他人様が自分の古い車を買う金をあてにしてエコカーを買って環境を語ったアホな自動車メーカーはどこのメーカーだったかな?w

  2. 製造から〇年と書いてあるが、自動車税が高くなるのは新規登録から〇年でしょ!?
    いい加減に書いちゃいかんよ。

    • このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
      修正いたしました。

  3. 究極の環境対策は車を捨てない、乗らないことだ。とくにリサイクルの効かない旧車は廃棄する際のリスクが大きい。

  4. 「ビンテージカー」と呼べるような車をリストアップして減税措置をすればいいと思う。

  5. 私は2cvを所有してますが、車税は重課税で33900円です。税制で660cc以上からの設定で660cc未満なのにこの金額です。いい加減にしろ。

  6. 今のクルマは、自分にとっては幅が広すぎるし、窓が天地方向に狭いし、そしてデザイン的に灰汁が強いので乗る気がしません。

  7. 走行距離も考慮して!
    会社近く日に5キロしかのらない、
    休日も乗らない 

    古いだけで決めつけないでほしい

    • 税金を取る方にすれば乗らない人から税金を取るのがおいしいのでしょうね・・・自分の車は24年目で8万キロ弱の走行で税金はガッポリ取られています(´;ω;`)

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー