隣接県で10円/L差も!? ガソリン価格の地域差なぜ存在?「輸送費だけじゃない」理由とは

クルマのガソリン価格が地域ごとに大きく異なることは、マイカーを所有する人の間でよく知られている事実ですが、差が生じてしまう理由はいったい何でしょうか。一般的には、ガソリンの輸送コストが販売価格に上乗せされているといわれていますが、話はそれだけではないといいます。いったいどういう状況なのでしょうか。

遠方のガソリンスタンドでよくある「違和感」

 クルマで遠くへ移動し、出かけた先のガソリンスタンドで給油したとき、「おや?」と思ったことはないでしょうか。日常的にガソリンを入れている地元のガソリンスタンドに比べて、値段が高い(安い)ことがあるのです。この違いはなぜ生まれるのでしょうか。

隣接県同士でガソリン価格が大きく違う場合もある(画像はイメージです)
隣接県同士でガソリン価格が大きく違う場合もある(画像はイメージです)

 もちろん、多くの人はガソリンスタンドごとに価格が異なることを理解していますから、数円の違いがあっても不思議には思わないでしょう。

 しかし、都道府県ごとの平均価格を見ると安い地域と安い地域でレギュラーガソリン1リッターあたり10円以上の価格差がついていることがあります。

 1リッターあたり10円といえば、満タンで50リッター入れると500円の差がつきます。これは「わずかな差」とは思えない差ではないでしょうか。

 資源エネルギー庁が石油製品小売市況調査としてまとめて令和3年(2021年)3月17日に発表した資料をみると、全国平均価格はレギュラーガソリン1リッターあたり147.3円でした(以下、ガソリン価格はすべてレギュラー価格)。

 たとえば関東甲信越を見ると、価格がもっとも安いのは埼玉県で143.1円。しかし県境の一部が隣接している長野県では、153.2円と10円以上の差が生じています。

 果たして、この地域による価格差の理由はどこにあるのでしょう。

 一般的には、原油からガソリンを精製する製油所が近くにある地域ではガソリン価格が安くなり、遠くなると高くなるといわれています。その理由は輸送コスト。製油所からガソリンスタンドまで運ぶコストが価格に上乗せされるというわけです。

 たとえば長野県には製油所がなく、神奈川県や千葉県にある製油所からまず鉄道を使って長野県内の「油槽所」と呼ばれる場所に運ばれ、その後各地のガソリンスタンドにタンクローリーで運ばれます。

 長野県は広範囲かつ山間部も多く、タンクローリーで運ぶにも手間がかかるので、それも輸送コストも上乗せされ、ガソリン価格が高くなりがちというわけです。

 ガソリン平均価格が安めの千葉県(143.8円)、宮城県(142.6円)、和歌山県(144.3円)、岡山県(144.1円)などは県内に製油所があります。

 一方、153.2円の長野をはじめ、山形県(154.0円)、福井県(150.4円)、島根県(151.0円)、長崎県(153.7円)、鹿児島県(155.2円)など特にガソリン平均価格が高い地域は県内に製油所がないため、一般的にいわれる「製油所から遠いから高い」という理論が当てはまるといえるでしょう(長崎や鹿児島は運ぶのにさらに手間がかかる離島などの影響もある)。

 東京は148.1円と製油所が近いわりに周囲の地域よりも平均価格が高めですが、それはガソリンスタンドの土地代が高いなど都心部での特殊な環境を反映していると考えられます。

【画像】ガソリン価格は地域によってかなり違う… 変わらないものはなにかある?(16枚)

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