なぜコロナ禍で売れ続けた? トヨタ「ヤリス」とホンダ「N-BOX」が2020年のNo.1になった理由
トヨタ「ヤリス」は2020年登場車販売台数でNo.1になり、ホンダ「N-BOX」は先代から軽自動車では6年連続、登録車も含めると4年連続で国内販売台数1位になりました。なぜ、コロナ禍においてこの2台は絶大なる人気を誇ったのでしょうか。
爆売れが止まらないN-BOXとヤリスの魅力はどこにあるのか
2020年は、世界中でコロナ禍による多大な影響を受けました。そうしたなかで、日本市場における年間登録車売台数が発表され、登録車ではトヨタ「ヤリス」、軽自動車ではホンダ「N-BOX」がそれぞれ1位になっています。
ヤリスとN-BOXは、どちらも2位以下との差を大きく離していますが、ここまで人気があるのにはどんな理由があるのでしょうか。
新型コロナウィルスの影響は経済にも大きなダメージを与えており、そのため新車販売台数は登録車(普通車)、軽自動車共に前年割れとなっています。そんななかでも通年を通して上位を維持してきたのが、ヤリスとN-BOXです。
ヤリスは、2020年2月に先代までの「ヴィッツ」から車名を変更して発売され、2020年の登録車No.1となりました。
日本自動車販売協会連合会(以下、自販連)によると、2020年の月別では、1月、2月、3月、6月を除く月で1位を獲得しており、緊急事態宣言が出された4月と5月は、ほかの乗用車の登録台数が1万台を切るなか、唯一1万台を超える伸びを見せています。
なお、自販連が公表する台数は実際に販売された数ではなく、ナンバープレートが付いた時点(登録)となり、実際の販売台数とは異なります。
そうしたなかで、ヤリスがここまで売れている理由のひとつに、2020年5月からトヨタの販売店全てが統合されたことが挙げられます。
発売当初の2月から4月までは、先代ヴィッツがネッツ店の専売車だったこともあり、ヤリスもネッツ店のみしか取り扱いがありませんでした。
しかし、前述の5月以降はすべての販売店で取り扱いが可能になったことで、ユーザーにとってヤリスの販売店を探す必要がなく、トヨタの看板が掲げられていればどこでも購入できるようになったというのは大きいといえるでしょう。
また、ヤリスの好調を後押した要因として、コンパクトSUV「ヤリスクロス」(8月31日発売)、3ドアスポーティモデル「GRヤリス」(9月4日発売)が自販連の公表するヤリスに含まれている点です。
実際に、8月のヤリスは1万1856台でしたが、9月では、ヤリスクロスとGRヤリスが合算され2万2066台に伸びています。
ヤリスの販売台数は8月までは1万から1万4000台ほどでしたが、10月以降は平均1万8000台となりました。
トヨタによると、2020年のヤリスシリーズの登録台数となる15万1780台の内訳は、ヤリスが11万5300台(76%)、ヤリスクロスが3万2810台(22%)、GRヤリスが3670台(2%)だといいます。
なお、ヤリスクロスに関しては人気なことから納期時期が伸びているといい、2021年1月時点でガソリン車が4か月以上、ハイブリッド車が6か月以上となり、2020年におけるヤリスクロスの実売数はもっと多いこととなります。
こうした販売面や公表させる数字以外にヤリス自体の魅力とはどのような部分なのでしょうか。
ヤリスのユーザーから支持されている理由について、トヨタ販売店スタッフは以下のように話します。
「ヤリスは、コンパクトで取り回しのしやすいサイズ感や、ガソリン車・ハイブリッド車など使い方によって選べる部分、安全機能も充実している点がとくにお客さまから好評いただいています。
また、ハイブリッド車は国産車のなかでもトップレベルの燃費性能を誇るため、燃費を気にされる人からはご好評頂いています。
ヤリスの支持層としては、免許取り立ての初心者、大きいクルマからダウンサイジングをされて選ばれる人などです。
また、エントリー価格が139万5000円から設定されており、昨今の軽自動車同等または安価なこともあり、日常の移動手段としての用途がメインの場合には、購入のハードルが低い部分も魅力なのではないでしょうか」
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