コロナ禍で明暗!? ドイツ・プレミアムブランドのなかでBMWが苦戦する理由

2020年 メルセデスやアウディは多くのニューモデルが上陸した

 一方、2019年はどうかといえば、1月に「3シリーズ」、2月に「X5」、3月に「Z4」、6月に「X7」、8月に「1シリーズ」、10月に「X1」、10月に「8シリーズグランクーペ」と「2シリーズグランクーペ」、12月に「X6」を投入している。しかも基幹モデルである3シリーズをはじめ、1シリーズなど台数を多く望めるモデルも多数含まれているのだ。

BMW「3シリーズ」は2019年1月に日本に上陸。2020年上半期(1月から6月)の外国メーカー車モデル別新車登録台数は、5位の4039台だった
BMW「3シリーズ」は2019年1月に日本に上陸。2020年上半期(1月から6月)の外国メーカー車モデル別新車登録台数は、5位の4039台だった

 もともとBMWにとって2020年は、コロナ禍がなくても、新車の少ない我慢の一年の予定であったのだ。そして、その埋め合わせは、1シリーズや2シリーズ、X2、X4などに、新たにディーゼルエンジンのモデルを追加している。

 ちなみに、MINIブランドでいえば、2020年は9月に「MINIクロスオーバー」を投入。MINIブランドは、もともとモデル数が少ないこともあり、2020年1月から11月の登録台数は1万7863台で前年比81.8%と、まずまずの成績となっている。

 また、メルセデス・ベンツは2020年に、「GLS」、「GLEクーペ」、「GLB」、「GLA」、改良新型「Eクラス」というニューモデルを投入。

 アウディは「Q3」、「Q3スポーツバック」、「RS3スポーツバック」、「RS3セダン」、「Q7」、「S6」、「S6アバント」、「S7スポーツバック、「S8」、「e-tronスポーツバック」、改良新型「A4」、「RS Q3」、「RS Q3スポーツバック」、「RS6アバント」、「RS7スポーツバック」、「RS Q8」という、驚くべき数のニューモデルを用意した。

 メルセデス・ベンツは前年比86.2%、アウディは同91.5%という数字は、そのまま新型車の多さに比例しているように見える。アウディの販売は前年比91.5%だが、もしもコロナ禍でなければ、もっと数字を伸ばしたことだろう。やはり新車の効果は大きいということだ。

※ ※ ※ 

 そんなBMWだが、来年の2021年は挽回の年となるのだろうか。

 しかし、じつのところ、BMWの2021年は、また我慢の年になりそうだ。なぜなら、やっぱり日本導入予定のニューモデルの数が少ないのだ。

 振り返ってみると、BMWのラインナップのほとんどが、過去2年くらいに新型車へ代替、もしくはマイナーチェンジを実施してしまっている。

 基本となる、1シリーズ、3シリーズ、5シリーズ、7シリーズは2019年と2020年に。SUVのXシリーズでいえば、2017年にフルモデルチェンジした「X3」が一番古く、ほかはすべて2018年以降に新型になっている。

 そのため、年明けに新型「M3セダン」と「M4クーペ」が登場するのと、年の後半に数種のEVモデルが登場するくらいではないかという程度だろう。そう考えると、2021年は2020年よりもニューモデルは少ないかもしれないのだ。

 BMWの苦戦は、残念ながら、もう少し続くかもしれない。

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1件のコメント

  1. ニューモデルが出なかったから売れてないというかだけじゃない様な…
    かつてのこだわりを捨てベンツに負けじと
    ラインナップの拡張、拡大成長路線を続けた結果により
    ブランドとして独自性や個性が弱まってしまったので、
    他社と似たり寄ったりのカテゴリーが増えた中では競合負けするし
    ブランドイメージも低下し低迷してる様に見える。
    要は、あえてBMWを選ぶ理由がない
    肥大化してくっついてしまったキドニーグリルとか過去のヘリテージを主張するも
    形の模倣に過ぎず、そこに志は継承されているように見えないんだよな。
    バブル崩壊で失墜した頃のマツダのような危うさを感じるね。

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