コロナ禍で明暗!? ドイツ・プレミアムブランドのなかでBMWが苦戦する理由

2020年は新型コロナウイルス感染拡大による景気低迷で、輸入車ブランドは大きな打撃を受けた。12月4日に日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した輸入車新規登録台数によると、外国メーカー車の1月から11月の累計は22万7500台と、前年同期比で15.5%の減少になっている。ドイツ・プレミアムスリーと呼ばれるメルセデス・ベンツ、BMW、アウディの3ブランドとも、前年同期比でマイナスとなっているが、なかでもBMWはマイナス25%と苦しい状況だ。BMWが苦戦している理由はどこにあるのだろうか。

2020年1月−11月のBMWは前年同期比マイナス25%の3万1584台

 コロナ禍で2020年の輸入車市場は、大きなダメージを受けた。

 しかし、ブランドによっては、前年同期と同じ、もしくはさらに大きく販売できたところもあり、一方で大きく数字を落としたところも多い。2020年11月までに、前年比で100%以上を確保しているのは、ジープやポルシェ、シトロエンといった個性派ブランドであった。

 そして苦戦したのが、メルセデス・ベンツやフォルクスワーゲン、BMWといった、輸入車ブランドのベストセラーを争うトップ3だ。

2020年10月16日に発表・発売された新型「4シリーズ」。縦型の巨大キドニーグリルが目を惹く
2020年10月16日に発表・発売された新型「4シリーズ」。縦型の巨大キドニーグリルが目を惹く

 日本自動車輸入組合(JAIA)の速報によると、なかでもBMWは1月から11月の新規登録台数が前年比75%にとどまった。ただし、新規登録台数は3万1584台で、1位メルセデス・ベンツの5万784台、2位のフォルクスワーゲン3万3816台に次ぐ3位のポジションは守っている。

 しかし、前年と比べると75%しか売れていない。メルセデス・ベンツは前年比86.2%、アウディは91.5%となっている。残念ながら、前年比でいえば、ドイツ・プレミアムブランドのなかでBMWの成績がもっとも悪いのだ。

 では、なぜ、BMWの数字が悪かったのだろうか。

 その理由は明白だ。それは、ニューモデルが少なったからだ。

 前年となる2019年は日本にやってきたニューモデルが多かった。ニューモデルが多い2019年にたくさん売れて、少ない2020年は苦しかった。しかもこのコロナ禍である。そんな状況でも、よく75%も維持できたといえるほどなのだ。

 では、BMWは、2020年にどれだけの新型車を日本に投入したのであろうか。

 2020年の1月からいえば、1月に「M8グランクーペ」、3月に「X5M」と「X6M」、9月に改良新型「5シリーズ」と「M5」、10月に「4シリーズ」を投入している。M8グランクーペとX5MとX6M、M5は派生モデルであることを勘案すると、純粋なニューモデルは改良新型5シリーズと4シリーズの2つしかなかったことになる。

【画像】2020年に登場したBMWモデルを画像でチェック(34枚)

【2024年最新】自動車保険満足度ランキングを見る

画像ギャラリー

1 2

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

1件のコメント

  1. ニューモデルが出なかったから売れてないというかだけじゃない様な…
    かつてのこだわりを捨てベンツに負けじと
    ラインナップの拡張、拡大成長路線を続けた結果により
    ブランドとして独自性や個性が弱まってしまったので、
    他社と似たり寄ったりのカテゴリーが増えた中では競合負けするし
    ブランドイメージも低下し低迷してる様に見える。
    要は、あえてBMWを選ぶ理由がない
    肥大化してくっついてしまったキドニーグリルとか過去のヘリテージを主張するも
    形の模倣に過ぎず、そこに志は継承されているように見えないんだよな。
    バブル崩壊で失墜した頃のマツダのような危うさを感じるね。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー