コロナ禍で注目増す「車中泊」や「キャンパー」トヨタ販売店が宿泊施設まで運営する訳

近年アウトドアや車中泊がブームとなるなか、自動車ディーラーがキャンピングカーを自社開発している事例があるといいます。なかには、独自で宿泊施設まで運営している自動車ディーラーもあるというのですが、そこまでアウトドアビジネスに力を入れる理由とはいったい何なのでしょうか。

なぜ自動車ディーラーが自社キャンプ施設を運営?

 近年、アウトドアや車中泊がブームとなるなか注目されている「アルトピアーノ」というクルマがあります。開発、製造、販売するのは、トヨタ大手ディーラーのトヨタモビリティ神奈川です。いったいなぜ、トヨタのディーラーが自らキャンピングカーを開発しているのでしょうか。

トヨタモビリティ神奈川のキャンピングカー「キャンパー アルトピアーノ」
トヨタモビリティ神奈川のキャンピングカー「キャンパー アルトピアーノ」

 同社は、トヨタが2020年5月から実施している、全車種全店舗併売に連動するかたちで、神奈川トヨタ、ネッツ横浜、ネッツ湘南、カローラ横浜の4社が合併して誕生しました。

 現在、同社のキャンピングカーで比較的本格派なモデルはふたつあります。

 ひとつは、タウンエースをベースとした「キャンパー アルトピアーノ」。後席は取り外し可能なテーブルを持つ対面でのダイネットモード、またフルフラットのベッドモードに簡単に転換できます。

 最大の特徴は価格です。標準モデルは200万円台で、オプションとして走行中に充電できる電源ユニットや、シンク&シャワーや冷蔵庫が用意されています。

 発売は2016年10月からで、累計販売台数は529台と、キャンパーとしてはかなり台数が多い印象です。

 現在、タウンエースのモデルチェンジに対応して、新パッケージの製作中です。

 もうひとつが、「ハイエース キャンパー」。その名の通り、ハイエースがベースとなり、タウンエースベースと同じくダイネットモードやベットモードが利用でき、さらに荷室スペースもかなり広く設計されています。

 価格は標準モデルが300万円台と、キャンパー業界でバンコン(バンコンバージョン)と呼ばれる分野では、商品の質感からみて、かなりリーズナブルだと感じます。

 発売は2020年6月始まったばかりですが、4か月間ですでに111台が販売されました。

 この他、「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」向けに外部電源キットや、車中泊用の専用バットレス「アルトピアーノ ジオカーレ」なども開発し販売しています。

 さらに驚きなのは、キャンピングカー購入者は、2019年4月に正式オープンしたキャンプ施設「アルトピアーノ蓼科」(長野県茅野市北山)に年間で1泊を2回、ほかの関連商品購入者には年間1泊が無料となる特典が付くことです。

 実際に現地を取材しましたが、風光明媚な敷地面積8000平方メートルに宿泊、ドックラン、プレイフィールド、展望デッキなど4つのエリアに分かれています。

 宿泊施設は7棟(うち4棟はペット宿泊可)、ミニキッチンとユニットバス付のタイニーハウスという4人宿泊用コテージハウスには、屋外バーベキュー用のガスグリルも完備しています。

 現地マネージャーの常川領太氏は「年内は、金曜日から日曜日の予約はいっぱいです。多くの方が庭にテントを張って、夕方からバーべキューを楽しまれています」と実際の利活用方法を紹介してしれました。

【画像】車屋さんが作った本気のキャンプ施設を画像で見る(23枚)

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