エコタイヤってなにが「エコ」? 履き替えるとどれぐらいおトクなのか

最近登場するサマータイヤはほとんどが「エコタイヤ」だというが、いったいエコタイヤってなんなのか。そこに明確な基準はあるのだろうか。またエコタイヤに履きかえるとどんなメリットがあるのだろうか。

エコタイヤとは「低燃費タイヤ」のこと

 カー用品店やタイヤ量販店の店頭で見かける「エコタイヤ」。各タイヤメーカーのさまざまなブランドから、さまざまなエコタイヤが販売されている。価格も高いものからベーシックなものまでさまざまだ。

 ではエコタイヤとは、いったいどんなものなのか。

「エコタイヤ」はタイヤ・グレーディング制度で転がり性能の等級がA以上(AAA、AA、A)で、かつウエットグリップ性能がaからdに入っているタイヤ(低燃費タイヤ)のことをいう
「エコタイヤ」はタイヤ・グレーディング制度で転がり性能の等級がA以上(AAA、AA、A)で、かつウエットグリップ性能がaからdに入っているタイヤ(低燃費タイヤ)のことをいう

 エコタイヤとは、ようするに「低燃費タイヤ」のことだ。

 これはJATMA(ジャトマ。一般社団法人日本自動車タイヤ協会」が定めたグレーディングで、低燃費(=転がり抵抗性能)と安全性(=ウエットグリップ性能)が一定以上のレベルを満たしたタイヤのことをいう。

 「タイヤ・グレーディング制度」は、日本では2010年から始まった。

 店頭で売られているタイヤにシールが張ってあり、そこに「AA-b」「A-c」などと表記されているのを見たことのある人も多いだろう。これはタイヤラベリング制度といって、グレーディング(等級制度)に基づいた表示をおこなうことで、一般の消費者がタイヤの性能をひと目でわかるようにしているのだ。

 ラベリング制度のなかで、大文字のアルファベットで表記されるのが、転がり抵抗性能になる。これはAAA、AA、A、B、Cの5段階で表記される。

 小文字のアルファベットで表記されるのが、ウエットグリップ性能だ。a、b、c、dの4段階で表記される。転がり性能の等級がA以上(AAA、AA、A)で、かつウエットグリップ性能がaからdに入っているタイヤを「低燃費タイヤ」と呼んでいる。

 つまり「A-a」「AA-c」など、大文字部分に「A」以上が記載されているものが低燃費タイヤになる。つまり低燃費タイヤ=エコタイヤには明確な基準があるのだ。

 低燃費タイヤには「スタンダードエコタイヤ」と呼ばれる、価格が安めのベーシックなタイヤのほか、「コンフォートタイヤ」「プレミアムコンフォートタイヤ」などと呼ばれる静粛性を追求したタイヤや、「ミニバン専用タイヤ」「軽自動車専用タイヤ」など車種専用タイヤも、低燃費タイヤである場合が多い。

 「Bーa」「Cーb」など、最初の大文字アルファベットが「A」以外のラベリングは低燃費タイヤではない。こうしたタイヤには、サーキット走行も可能な「スポーツタイヤ」や、ハイパワーセダン向けの「プレミアムスポーツタイヤ」などがある。

 なぜ、転がり抵抗性能とウエットグリップ性能を併記しているのかというと、一般的に転がり抵抗を低減すれば、タイヤはウエット路面での制動距離は伸びるという傾向にあるからだ。

 だが今では、各社の技術力の進化もあり、転がり抵抗性能が良いのにウエットグリップ性能も良い、というタイヤも登場している。

 ちなみにこのラベリング表記があるのはサマータイヤのみになる。スタッドレスタイヤや、いま流行りのオールシーズンタイヤにはラベリングはない。また日本のラベリング制度に参画していない海外のタイヤメーカーもあり、たとえばコンチネンタルのサマータイヤには表記されていない。また、新車装着用タイヤ(OEタイヤ)にも付いていない。

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1件のコメント

  1. 初めてのエコタイヤの交換で、タイヤ屋さんに随分脅され、少し勉強。結局、AA-aなんちゅうのはほとんどないみたいで、A-aも結構な値段が。
    支払額優先で、A-bで妥協。悪くない選択だったと思っている。

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