なぜ? セダン市場低迷で「マークX」「シビック」消えるもプレミオ/アリオンが生き残る訳
プレミオとアリオンはどこが違う?なぜプレミオが人気なのか
前述したように、プレミオとアリオンでは、プレミオのほうが販売台数が多く、人気が高くなっています。なぜプレミオのほうが人気なのでしょうか。
プレミオとアリオンは、プラットフォームや搭載エンジンなどを共通にする姉妹車で、安全装備や走行性能にも違いはなく、多彩な情報を高解像度で表示する4.2インチカラーTFT液晶メーターをはじめとした装備もほとんど共通しています。
両者ではっきり色分けされているのは、やはりデザインの方向性で、シャープでスポーティな方向に振っているアリオンに対し、プレミオは正統派セダンとしてラグジュアリーな側面を強めており、内装もプレミオのほうがより高い質感が追求されています。
また、違いといえば、プレミオはトヨペット店、アリオンはトヨタ店と、従来は取り扱うディーラーが異なっていました。
販売店ごとの販売力の差が影響して、それぞれの販売台数にあらわれていたことも考えられますが、2020年5月のトヨタの全車種の併売化の実施でどちらも同じ販売店で購入できるようになっています。
にもかかわらず、日本自動車販売協会連合会によると、直近の2020年1月から7月までの販売台数は、プレミオが3847台、アリオンが1700台となっており、変わらずプレミオのほうが売れていることから、販売店の販売力による販売台数の差とは別に、人気の理由があると考えられそうです。

アリオンよりプレミオが人気な理由について、前出とは別のトヨタの販売店スタッフは次のように話します。
「プレミオとアリオンでは、後継元ととなるカリーナとコロナでも、コロナのほうが上位車種であった関係性もあり、プレミオのほうが高級感を追求した上位車種という位置付けになっています。
価格はプレミオのほうが少し高いですが、数万円程度の差なので、ほぼ同等のスペックのクルマでどちらを選択するかとなったときに、知名度やネームバリューがあるプレミオを選ぶ人が多いのだと思います」
基本的設計や装備、性能などを共通しており類似する両車ですが、互いの関係性においてプレミオの確立された地位が付加価値となっていることが、人気に繋がっているようです。
※ ※ ※
4ドアセダン市場において、アリオンやプレミオは質感の高いモデルとして、それぞれ独自の世界観を築き上げています。
どちらも、セダンの人気モデルと比べると爆発的に売れているモデルとはいえませんが、改良を繰り返しながら、現行モデルは発売から10年以上という長期にわたり奮闘を続けていますが、この両車は今後どのような方向に向かうのでしょうか。
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。













