さり気なく高性能なのがイイ! ちょっと前に登場したスポーティセダン3選
近年はセダン人気が低迷し、各メーカーともセダンのラインナップが減少してしまいましたが、2000年代の始め頃は、充実していました。そこで、ちょっと前に登場した、過激すぎないスポーティセダンを3車種ピックアップして紹介します。
2000年代に発売されたスポーティセダンを振り返る
2019年12月にトヨタ「マークX」、2020年7月にはスバル「レガシィB4」と、かつては高い人気を誇ったセダンが販売終了となってしまいました。
近年はSUV人気の上昇や、ファミリーカーとしてミニバンや軽ハイトワゴンが定番となったことから、セダンの販売は低迷しています。
そのため、各メーカーともセダンのラインナップは減少しており、今後も復活することは難しい状況です。
一方で、2000年代初頭はセダンのラインナップが豊富で、なかにはスポーティなモデルも数多く存在。そこで、ちょっと前に登場した、過激すぎないスポーティセダンを3車種ピックアップして紹介します。
●三菱「ランサー ラリーアート」
三菱の高性能セダンというと、2016年に販売を終了した「ランサーエボリューション」が真っ先に思い浮かびますが、もともとランサーはスポーティなセダンとして誕生しています。
初代は1973年に誕生し、トップグレードの「ランサー1600GSR」は直列4気筒SOHCの「4G32型」エンジンに、ツインキャブレターを装着して高出力化が図られました。
2代目では1980年にターボエンジンを搭載した「ランサーEX 1800GSRターボ」が発売され、その後のランサーも、スポーティなグレードがラインナップされています。
そして、国内モデルとしては最後となった6代目ランサーにも、2004年に「ランサー ラリーアート」を追加でラインナップ(セダンとステーションワゴン)。エンジンは1.8リッター直列4気筒ターボを搭載し、最高出力は165馬力を発揮します。
また、駆動方式はFFの2WDで、トランスミッションは4速ATのみとされるなど、マイルドな味付けでした。
一方で、専用ローダウンサスペンション、16インチタイヤ&専用アルミホイール、大型バンパー、前後&サイドエアダム、レカロ製フロントシートなどが奢られるなど、内外装をスポーティに演出。
2005年のマイナーチェンジでフロントフェイスが一新されましたが、2007年にラリーアートが廃止され、2010年にランサーの歴史は幕を閉じました。
●日産「プリメーラ」
日本の景気が上向きだった1980年代の後半、日産は『1990年までに走りにおいて世界一を目指す』というスローガンを掲げ、これを「901活動」と名付けます。
この901活動によって誕生したモデルが、日本市場向けの「R32型 スカイラインGT-R」、北米市場には4代目「Z32型 フェアレディZ」、そして欧州市場をターゲットとした初代「P10型 プリメーラ」です。
初代プリメーラは1990年に発売されたFFミドルクラスセダンで、欧州車に匹敵する走りの性能と、快適性の両立をコンセプトとしていました。
そしてFF車のハンドリング世界一を目指し、実際に高いコーナーリングスピードでも安定した走りを実現したことで、日欧でヒット作になります。
1995年には2代目が登場。基本的なコンセプトやデザインは、初代から継承されていますが、国内モデルにもステーションワゴンが加わりました。
そして、2001年に3代目が発売されるとデザインが一新され、よりシャープでスポーティなセダン/ステーションワゴンとなります。
デビューイヤーに追加された高性能グレードの「プリメーラ 20V」には、可変バルブタイミングリフト機構を採用した2リッター直列4気筒の「SR20VE(NEO VVL)型」エンジンを搭載。最高出力は204馬力(MT車)を誇りました。
このエンジンに組み合わされるトランスミッションは、クロスレシオ化された6速MTのみとなっており、流麗な見た目には似合わない硬派な一面を持っています。
内装では3眼のセンターメーターが配置され、ナビやオーディオ、空調が直感的に操作できるユニークなスイッチ類を採用するなど、新たな試みが施されています。
しかし、すでにセダンやステーションワゴンの人気が落ち始めていたことから車種整理がおこなわれ、プリメーラの国内向け販売は、2005年をもって終了しました。