働く車なのにカッコよく見える!? アメリカ仕様のトラック5選
日本では激減してしまったピックアップトラックですが、アメリカではもっとも売れているクルマで、古くから各メーカーがラインナップしており、国内メーカーもアメリカ市場専用でピックアップを販売しているほどです。そこで、これまでアメリカで販売されたピックアップトラックのなかから、国内メーカーのモデル5車種を紹介します。
日本で馴染みのトラックでもアメリカではカッコいい!?
昭和の時代では、個人商店の物流を支えた存在として、軽トラックと並んで小型のピックアップトラックがあります。かつて、日本でもさまざまなメーカーからピックアップトラックが販売されていましたが、販売台数の低迷から現在ではトヨタ「ハイラックス」のみとなってしまいました。
一方で、アメリカではピックアップトラックの人気が高く、もっとも売れているクルマとして君臨しています。
その理由としては、アメリカでは税金や保険が優遇されており、日本における軽自動車のような存在だからです。
その人気ぶりから、国内メーカーもこれまで数多くのピックアップトラックを、北米で販売してきました。
そこで、これまでアメリカで販売されたピックアップトラックのなかから、ユニークなモデルやスタイリッシュなモデル5車種を紹介します。
●日産「ピックアップ」
日本では「ダットサントラック」の名で販売された日産のピックアップトラックは、第二次世界大戦以前に誕生しました。
戦後になって本格的な量産が始まったのは4代目からで、1958年にはアメリカに輸出されています。アメリカでヒットしたのが7代目のダットサン「620」からで、若者を中心に高い人気を獲得。
そして、日本でもヒットして馴染み深いのが1985年に登場した9代目(D21型)で、アメリカではダットサンではなく日産「ピックアップ」として販売されました。
ボクシーでスタイリッシュな外観が印象的で、バリエーションはシングルキャブ、キングキャブ、ダブルキャブを展開。
北米仕様に搭載されたエンジンは2.4リッター直列4気筒が基本で、トップグレードには3リッターV型6気筒も設定されました。
1986年にはこのD21型のシャシにワゴンタイプ のボディを架装した初代「テラノ」(北米では「パスファインダー」)を発売。パスファインダーはピックアップと共通のフロントフェイスで、スタイリッシュな外観と相まって、たちまち人気となります。
日本でも1990年代初頭のRVブームの頃、テラノとともにダットサントラック4WDのダブルキャブが人気を博しました。
そして、1997年に次世代の10代目が登場し、日本での販売は2002年に終了。現在、北米市場ではフルサイズの「タイタン」と、ミドルサイズの「フロンティア」の2種類のピックアップトラックが販売されています。
●トヨタ「トラック」
冒頭にもあるとおり、現在国内で販売されているピックアップトラックはハイラックスのみですが、初代は1968年に発売され、50年以上もの長い歴史のあるモデルです。
アメリカにも初代から輸出され、2代目の後期型からはトヨタ「トラック」に車名が改められ、1978年に登場した3代目から4WDが設定されたことで、アメリカでもヒットを記録。
1983年に発売された4代目では、後輪駆動モデルは「コンフォタブルシリーズ」と「ポピュラーシリーズ」の2シリーズのラインナップとなり、前者は内外装のデザインを一新したモデルで、後者は3代目の継続生産とされました。
この4代目ではフロントフェイスがよりスッキリした印象になり、フェンダーがスリムなブリスターフェンダーとされるなど、よりスタイリッシュに変貌。
ボディはシングルキャブ、キングキャブ、ダブルキャブが設定されました。
当初、搭載されたエンジンは2.4リッター直列4気筒と2種類のディーゼルで、1987年には日産に対抗するために137馬力を発揮する2.4リッターターボが登場しています。
そして、1984年には4WDのトラックをベースにFRP製キャノピーを搭載した「ハイラックスサーフ」(北米では「4ランナー」)を発売し、日米で大ヒットとなりました。
現行モデルのトヨタ製ピックアップトラックは、フルサイズの「タンドラ」と、ミドルサイズの「タコマ」が販売されています。
●マツダ「ロータリーピックアップ」
マツダは1967年に、世界初の量産ロータリーエンジン車「コスモスポーツ」を発売しました。コスモスポーツは生粋のスポーツカーとして、ロータリーエンジン=スポーティというイメージが定着。
その後、マツダはスポーツカー以外でもロータリーエンジン搭載車を拡充していくことで、パワフルかつスムーズな次世代の主力パワーユニットとしてフルラインナップ化を進めました。
その一環として、シングルキャブのピックアップトラック「プロシード」をベースに、112馬力を発揮する654cc×2ローターの「13B型」ロータリーエンジンを搭載した、高性能な「ロータリーピックアップ」を、1974年にアメリカで発売。
ロータリーピックアップは高性能エンジンにふさわしくモデファイされ、前後のフェンダーはオーバーフェンダー状に拡大し、フロントにはディスクブレーキを採用。
また、フロントグリルにはロータリーエンジンのローターを模したエンブレムが装着され、ロータリーエンジン搭載車であることを主張し、テールランプも「サバンナ」や「カペラロータリークーペ」をイメージさせる丸型に変更されています。
1977年にベースのプロシードがモデルチェンジしたことで、ロータリーピックアップはわずか3年で生産を終了。約1万8000台しか生産されなかった希少なクルマということもあり、現在でもアメリカでは数多くの愛好家が存在します。
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