電動車が65%増! 2020年6月の欧州新車販売台数速報を発表
自動車産業の世界的な調査会社であるJATOジャパンは、2020年6月の欧州自動車市場についての最新レポートを公開しました。
欧州での6月の販売台数は、電動車1台につきディーゼル車1.7台の割合
自動車産業の世界的な調査会社であるJATOジャパンが、2020年6月の欧州新車販売台数速報を公開しました。
JATO Dynamicsのデータによれば、2020年6月の欧州新車販売台数は113万台で、2019年6月の149万台から24%減となりました。
この数字は昨年と比べれば大きな減少となっていますが、2020年3月に新型コロナウイルスが欧州に到達して以来の月次台数としては、最高記録となっています。
JATOグローバルアナリストのFelipe Munoz氏は「いまのところは、まだ感染拡大が欧州で続いているため、市場の回復についてはっきりと述べることができない。しかしながら、消費者は少しずつではあるが、販売回復のためにおこなわれているキャンペーンやインセンティブに反応し始めている」と述べています。
同様に、2020年上半期(1月から6月)の結果は、感染拡大による混乱を反映しており、前年同期比39%減となる509万台となりました。
世界的な感染拡大は、欧州でのピュアEV(BEV)、ハイブリッド車(HEV)、プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)の販売を促進し、結果としてディーゼル車とガソリン車の販売台数は減少傾向にあります。
6月もこの傾向は同じで、ディーゼル車とガソリン車は前年同月比で、それぞれ31%、32%減少しました。
反対に、電動車は2019年6月の11万1300台から65%増となる18万3300台となっています。
別の見方をすれば、電動車のマーケットシェアは16.2%となり、ディーゼル車の占める割合まであと8%のところまで拡大しています。
2019年6月時点では、電動車1台あたりディーゼル車4.1台の比率だったのが、2020年6月は電動車1台に対し、ディーゼル車1.7台となったのです。
Munoz氏は「消費者信頼感と雇用に陰りが出ているにもかかわらず、電動車を取り巻く環境はこれまで見たことのないほど機会に恵まれているように見える。価格にも、値引きにも、インセンティブにも魅力があり、消費者の将来への環境意識が高まっていることも合わさって、電動車の需要はかつてないほど増加しているのだ」と説明しました。
さらに2020年6月は、ハイブリッド車が電動車販売のうち半分を占め、主要な3種の電動車が成長を記録しています。
また、マイルドハイブリッド車をラインナップしているスズキ、フォード、フィアットは販売を大きく伸ばし、これまで多くを売り上げていたキア(Kia)とレクサスを抜きました。
プラグイン・ハイブリッド車市場では、プレミアムブランド3社(ボルボ、メルセデス、BMW)が上位を占めており、これまで首位だった三菱は6位でした。
ピュアEVセグメントでは、テスラが前年同期比42%減となり2位であったのに対し、ルノーは販売台数を倍増させ首位となっています。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。