予想外に売れたトヨタ「RAV4 PHV」で潮目変わる? 日産「アリア」登場でSUVの電動化が加速?

日本市場の電動SUVはどうなっていく?

 2020年7月現在、日本で展開する電動SUV(今後の予定も含む)をメーカー別に表すと次のようになります。

 トヨタでは、ハイブリッド車として「C-HR」、「ハリアー」、「RAV4」。プラグインハイブリッド車にRAV4 PHVを展開。日産は、前出のe-POWERを搭載するキックスのほかに、ハイブリッド車の「エクストレイル」、電気自動車のアリアを設定しています。

 ホンダでは、ハイブリッド車として「ヴェゼル」と「CR-V」を設定。三菱は、プラグインハイブリッド車として前出のアウトランダーPHEVをラインナップ。

 マツダは、現時点では電動車をラインナップしていませんが、2020年夏より電気自動車のSUVとして「MX-30」を欧州で販売開始しており、今後日本市場でも展開する予定だといいます。

 スバルでは、ハイブリッド車として「XV」や「フォレスター」を展開。スズキは、「クロスビー」が全車マイルドハイブリッド車となっています。

人気SUVのトヨタ「RAV4」の派生車となる「RAV4 PHV」
人気SUVのトヨタ「RAV4」の派生車となる「RAV4 PHV」

 ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車であれば、ガソリン車と同様にガソリンスタンドで給油すれば問題ありませんが、電気自動車の場合は充電スポットの数や充電時間の短縮が課題となっています。

 次世代自動車振興センターによると、2020年3月末時点で全国の充電スポットは約1万8270箇所となり、全国のガソリンスタンド数の約6割に匹敵するほど普及しているといいます。

 充電スポットは、各メーカーの販売店やSA/PA、商業施設、道の駅などさまざまな場所に充電器が接地され、電気自動車での長距離移動における不安要素が少なくなってきているようです。

 しかし、充電時間に関してはガソリン車であれば5分から10分ほどで満タンになるのが一般的ですが、電気自動車の場合はバッテリー容量や充電方法により異なります。

 リーフ(62kWhバッテリー搭載車)の場合、自宅で6kW普通充電器を使って充電した場合で約12.5時間掛かりますが、販売店やSA/PAなどに接地されている急速充電器の場合、約60分で充電可能です。ただし、出かけ先などでの時間ロスはまだまだガソリン車と大きな差が存在するのです。

 さらに、充電スポットは増加傾向にあるものの、1箇所につき充電器が2個や3個ということが多く、1台の充電時間も掛かることから、充電待ちや充電するユーザー同士のトラブルも発生しているといいます。

 リーフを販売する日産の販売店スタッフは、新型アリアへの期待を次のように話します。

「現在、リーフは月間2000台前後を販売しています。販売台数だけみるとすごい売れているといえませんが、電気自動車という点ではコンスタントにそれなりに好調だと思います。

 最近では、充電スポットが増えたことや電気自動車に対するイメージも変わってきていることで、ある程度の市場が開拓されたのではないかと思っています。

 今回、新型アリアが発表され、発売は2020年中頃といわれていますが、すでにいくつかのお問い合わせを頂いています。人気のSUVということと、リーフで培った電気自動車のイメージによって新型アリアが発売されれば、日産の新しい主力モデルになるのではないかと期待しています」

※ ※ ※

 電動車の普及においては、ガソリン車と比べるとハイブリッド車プラグインハイブリッド車、電気自動車とシステムが複雑になるほど車両価格も高額になるためユーザーの手が届きにくいのが課題です。国や自治体から補助金があるものの、新型アリアについて日産は「ユーザーの実質購入価格は約500万円からを見込んでいる」と説明しています。

 さらに、前述の充電インフラや利用マナーも含めた課題をクリアしていかなければ、ユーザーが簡単にプラグインハイブリッド車や電気自動車などに手を伸ばすのにはまだ時間が掛かるかもしれません。

トヨタ RAV4 PHVの詳細を見る

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1件のコメント

  1. アリアの写真に「日産の電気自動車第二弾」とありますが、嘘はダメです。日産は過去にプレーリージョイEV、ルネッサEV(アメリカ名:アルトラEV)、ハイパーミニ等、複数の電気自動車をリースや市販済です。量産モデルということならリーフに続く第二弾で合ってますが。

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