100年企業のマツダ&スズキ 記念事業に差が存在? 利益度外視なマツダの戦略とは
創立100年を迎えたマツダ&スズキが届けるメッセージとは
一方、RX-VISIONは、マツダファンにとって手が届く「未来の夢」です。第44回東京モーターショーで世界初公開されたRX-VISIONに対する来場者の現場の熱気を、いまでも忘れられません。
いつか訪れるであろう「RX-9」誕生の日を夢見て、グランツーリスモSPORTのなかでRX-VISION GT3コンセプトを走らせたり、また1/43モデルカーを眺めているマツダファンが大勢いるのだと思います。
このほかの1/43モデルカーも、現役マツダデザイナーたちが精魂込めて作ったクルマたちです。今後、さらにモデルラインアップが増えるといいます。
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創立100周年というと、スズキも2020年3月15日に創立100周年という大きな節目を迎えています。
スズキによると100周年記念として、特別仕様車や公式グッズなどを販売する予定はないとのことです。
そのうえで、「お客さまの立場になった価値あるものを」という、スズキのものづくりの原点を忘れず、「感謝。感謝。感謝の100年でした」と公式コメントを示しています。
一方のマツダも「原点を忘れず、志を高く」とし、ユーザー、販売店、サプライヤー、現役社員、OBなど、これまでマツダに関わった多くの人々に「感謝の意」を表しています。
6月16日のオンライン取材の際、筆者はマツダコレクションについて「マツダが想定しているより、こうしたマーチャンダイジングに対する需要が多いのでは。今後のマネタイズ(事業化)の規模をどのように見ているのか?」とビジネスライクな質問をしました。
これに対してマツダの担当者は「あくまでも、お客さまへの感謝の気持ち。お客さまとのつながりを持つためのものです」と、ウェブカメラを直視しながらハッキリと答えた姿が印象的でした。
マツダコレクションは、いかにもマツダらしい、メーカーとユーザーとの付き合い方なのだと思います。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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