100年企業のマツダ&スズキ 記念事業に差が存在? 利益度外視なマツダの戦略とは

マツダは、創立100周年を記念した公式グッズ「マツダコレクション」の販売を開始しました。現役デザイナーも開発に携わるなど、力の入った公式グッズとなっていますが、なかにはすでに初期在庫分が在庫切れのものもあります。人気となった要因とはいったいなんでしょうか。

早くも完売! 1/43モデルカーに込められたコダワリとは

 マツダは、2020年6月25日にオフィシャルグッズ「マツダコレクション」を発売しました。マツダ創立100周年を機に開始された取り組みで、公式グッズのオンライン販売は同社初となります。

 公式グッズとして、マツダ社員も深く関わって開発されたというマツダコレクションですが、開発にあたってはどのような苦労があったのでしょうか。

マツダコレクションの1/43モデルカー
マツダコレクションの1/43モデルカー

 マツダコレクションで最初に登場したグッズは、全168ページの写真集や、マグカップ、ポストカードなどの雑貨、懐かしの名車や現行モデルまで揃えた1/43モデルカーなど幅広いラインナップです。

 マツダでは、関連企業のマツダエースがモデルカーなどを製造販売しており、マツダ広島本社構内の売店や通販で購入することができます。

 それに対してマツダコレクションは、マツダ本社の現役デザイナーが、量産車をデザインする同じ緊張感で細部に渡って関わり、製造面でも実車に近づけるために精度を上げていることで、それなりの販売価格になっています。

 そうしたなかで、すでに初期在庫分が完売した1/43モデルカーが出たことに、マツダ関係者の間でも驚きの声が上がっています。しかも、それが「R360 COUPE」と「RX-VISION」であるという点が、いかにもマツダファンらしいです。

 先日、筆者(桃田健史)はマツダ百年史の編さん作業について、マツダ本社に詳しく取材しました。

 それもあって、マツダコレクション初期設定モデルのなかからこの2台を選ぶファンが多かったと聞いたときに、マツダとユーザーの距離の近さを改めて感じました。

 R360 COUPEは、マツダとして初めて製造販売したオリジナルの四輪車です。COUPE (クーペ)という名称を正式に車名に取り入れたのは、日本ではマツダが最初です。

 マツダによると、デザインは、工業デザイナー界で異彩を放っていたフリーランスの小杉次郎氏と、マツダ入社2年目の若手デザイナーが担当したといいます。

 初お披露目は1960年4月23日。東洋工業(当時)の本館前、マツダの実質的な創業者である父・松田重次郎の胸像前で、当時の松田恒次社長がセレモニーをおこないました。

 R360 COUPEは松田重次郎のいつの日か「大衆向けの乗用車をつくる」という夢、そのものだったのです(非売品「マツダ百年史エピソード編」を参考に筆者まとめ)。

 今回、マツダ100周年を記念した特別仕様車の企画が決まった際、そのモチーフについてマツダのデザイン本部内でさまざまなプレゼンが出されましたが、そのなかに入社2年目の若手女子社員による「R360 COUPEをオマージュに」というアイディアがありました。

 企画が採用された後、その女子社員らが当時の資料を探したところ、デザイン本部内で丁寧に保管されている手書き資料を見つけます。

 そこには、外装色は「アルペンホワイト」と「マーロンルージュ」と書き記されていました。

 今回、1/43モデルカーの製作についても、そうした当時の色味の再現はもちろんのこと、現存するR360 COUPEを基に、社員デザイナーがボディの細部に渡り図面化していったのです。

 こうした100周年記念特別仕様車とマツダコレクションにまつわるストーリーについて、6月16日にマツダがメディア向けに開催したオンライン説明会で得た情報から各媒体で記事化され、その記事をしっかり読み込み、さらにマツダの歴史を理解した上で、R360 COUPEのモデルカーを注文したマツダファンが大勢いたのだと思います。

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