コロナ禍で自動車税は支払い猶予 ガソリン税は? 車にかかる不誠実な税金の実態

新型コロナウイルスの影響で、自動車税や自動車重量税の支払いが1年猶予されることになりましたが、ガソリンや軽油にかかる税金などは、徴税の根拠がなくなったいまでも課税され続けています。クルマにかかる税金の実態とは、どのようになっているのでしょうか。

コロナ禍で自動車税や自動車重量税は猶予される

 新型コロナウイルスの影響で所得が減ったとき、生活を一層困窮させるのが税金です。食費や光熱費、家賃などを通常通りに支払い、税金まで納めると生活が破綻しかねません。

 とくにクルマは、登録や届け出、保有、使用の各段階で税金を徴収されます。公共交通機関が未発達の地域や、健康を害しているためにクルマが生活必需品になっているユーザーも多く、コロナ禍でも簡単には手放せません。

クルマにはさまざまな税金がかかる(画像はイメージ)
クルマにはさまざまな税金がかかる(画像はイメージ)

 クルマの税金は、登録や届け出をおこなうときに納める環境性能割(旧自動車取得税)、毎年納める自動車税と軽自動車税、購入時と継続車検時に納める自動車重量税、さらにガソリンには揮発油税、軽油にも軽油引取税などが含まれます。クルマのユーザーは、ほかの人達に比べて、多額の税金を負担する仕組みです。

 新型コロナウイルスの影響を考慮して、各種税金には納税猶予が実施されています。税務署に申請をすると、最長で1年間、納税を先送りにできる制度です。

 クルマ関連の税金も、申請により猶予を受けられます。自動車税(都道府県税)、軽自動車税(市町村税)、自動車重量税(国税)は、1年間の猶予が認められました。納税時期が遅れたことで発生する延滞金も免除されます。

 国税庁が示す猶予の条件は、コロナ禍の影響で、2020年2月以降の事業等による収入が前年同期に比べて約20%以上減少しており、税金の納付が不可能なこととされています。

 クルマでは税金以外の出費として、自賠責保険料も挙げられます。クルマを運行するには必ず加入する義務があり、通常は継続車検と併せて自賠責保険料を納めます。

 新型コロナウイルスの対応としては、まず車検期間(自動車検査証の有効期間)が数回にわたり伸ばされました。いまは2020年7月1日までに継続車検を受ければ良いことになっており、これにともない、自賠責保険料の納付も先送りされました。

 ただし車検期間の伸長措置は、コロナ禍に基づくユーザーの経済的な困窮に配慮したものではありません。運輸支局が3密(密閉/密集/密接)に陥るのを避けて、感染拡大を防ぐことが目的です。

 そのために車検期間と自賠責保険期間の伸長も、税金のように1年間ではなく、2020年7月1日になるわけです。

 クルマの車検整備費用は経済的な負担が大きく、伸長期間を長くしたい気持ちも分かりますが、先送り期間が長引くと運行上の危険も生じます。このバランスが難しいです。

 自賠責保険料の納付は、もっと先送りしても危険は生じません。そこで保険継続の手続きは車検期間と同じく7月1日までの猶予ですが、自賠責保険料の払い込みについては、2020年8月1日まで伸長しました。

 それでも車検期間の1か月先では、伸長期間が短い印象も受けます。自賠責保険料と税金は根本的に異なりますが、ユーザーの申請を受け付けて、保険料の払い込みも柔軟に対応すべきでしょう。

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2件のコメント

  1. 時限的な減税や免税にかまけて普段から燃料や自動車税率の在り方について議論しないほうが悪いね、事態が発生してから議論や批判をしても手遅れ
    毎度の事にレギュラーガソリンが150円の壁を突破しないと税率の議論をしない毎度の茶番劇だからね。
    だいたいが15tもある路線バスが低床や重いハイブリッドシステムを搭載してる仕様が重量税免税でカローラのガソリン車から重量税を徴収するのでしょうかね?

  2. ""軽油にも、同様に税金が含まれています""
    同様ではないだろう。

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