「マツダの夢」ロータリーエンジンはなぜ復活しない? 登場遅れる裏事情とは
次世代ロータリーエンジン「スカイアクティブR」の実力は?
そんなスカイアクティブRですが、どのような技術が盛り込まれているのでしょうか。
ベースとなるのは「16X(800cc×2)」でしょう。従来の13B(654cc×2)に対してトロコイド曲線の変更やローター幅の縮小などにより、燃焼室の体積に対して表面積が小さくなっており、ロータリーの問題のひとつであった冷却損失が大幅に低減されています。このような構造的な進化に加え、スカイアクティブ技術が随所に盛り込まれているようです。
スカイアクティブ技術により生まれたガソリン/ディーゼルエンジンは「たくさん吸う」、「綺麗に燃やす」、「たくさん排出」という内燃機関の基本に立ち返って開発がおこなわれています。そんな内燃機関の究極の姿が、次世代スカイアクティブ技術のひとつとなる「スカイアクティブX」です。
スカイアクティブXはガソリンをディーゼルのように自己着火させる究極の燃焼方式で、マツダ独自のSPCCI(火花点火制御圧縮着火)により世界で初めて実用化に成功しましたが、筆者(山本シンヤ)はこのスカイアクティブXの要素技術こそがロータリーエンジン復活の秘策だと思っています。
つまり、ロータリーエンジンで自己着火が可能になれば、たとえ燃焼室形状が悪くても綺麗に燃焼させることが可能となり、ロータリーエンジンのデメリットは解消できるというわけです。
その一方でマツダの電動化計画のなかでは、ピュアEVにすべてを託すのではなく、距離を求めるなら内燃機関と組み合わせてレンジエクステンダー/プラグインハイブリッド/シリーズハイブリッドと適材適所で応用する考え方「マルチソリューション」を発表済みですが、ここで組み合わされる内燃機関としてロータリーエンジンが挙げられています。
現時点では1ローターであること以外は解りませんが、恐らく2013年に技術説明がおこなわれた「マツダREレンジエクステンダー」に搭載されていたロータリーエンジン(330cc:技術のベースは16X)の進化版でしょう。
ロータリーエンジンが持つメリットが時を超えて電動化技術に役立つと思うと感慨深い物がありますが、個人的には夢のロータリーエンジンを実用化させたマツダが、夢の技術(圧縮着火)を用いてロータリーエンジンを復活、それを搭載するモデルはフラッグシップスポーツとなる“RX-7後継車”というストーリーを期待したいところです。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
マツダのデザインは、世界でもトップクラスでトヨタの社長も羨んでると思います❗
ロータリーのメリットは今や皆無だし内燃機関で稼げる期間はもういくらもない。
ロータリーの工作機械は今までのハウジングサイズに適応していてよっぽど高性能でなければ設備投資が無駄になるからね。
既存のエンジンでも手間のかかるロータリーとそん色のないレベルまで発展したからでは?
ガンダム開発のブレークスルー理論を唱えている播磨科学技術量産プラントの首席技師殿の新理論で必ずや復活する。