アルファード並のサイズ? トヨタ「プロエース シティ ヴァーソ」ってどんなミニバン?
欧州ならではのMT仕様も! 日本未導入のミニバン「プロエース シティ ヴァーソ」とは、どのようなクルマなのでしょうか。
走りの本場、欧州を走るトヨタのミニバン
国内では人気を誇るミニバンですが、ヨーロッパトヨタは現地モデルとして「プロエース シティ ヴァーソ」を展開しています。日本で発売されていないこのクルマは、一体どのようなものなのでしょうか。
2019年4月、英国にてトヨタは新型ミニバン「プロエース シティ ヴァーソ」を発表しました。
日本では、商用車として「タウンエース」「ライトエース」「ハイエース」など、「ACE」を名前に組み合わせた車種があります。プロエース シティもその命名規則に従い、欧州におけるトヨタの新型商用車として登場しました。プロエース シティ ヴァーソは、そのプロエースの車体を用いてつくられた乗用車版となります。
特徴的なのは、「ショートホイールベース」と「ロングホイールベース」という長さの異なる2タイプのボディが設定されていることで、ベースとなるプロエース シティにもショート・ロングのボディタイプがあり、商用車と同じボディを最大限共用しているといえます。
全長は異なるものの全幅と全高はほぼ同じサイズとなり、ショートモデルは全長4403mm×全幅1848mm×全高1800mmに対し、ロングモデルは全長4753mm×全幅1848mm×全高1812mmです。
高級ミニバン「アルファード」が、全長4945mm-4950mm×幅1850mm×全高1950mmですので、アルファードに匹敵する大きさを持つクルマであることが伺えます。
乗車人数は5人乗り/7人乗りで、ショート・ロングそれぞれに設定されています。ただ、荷室の広さは大きく異なり、5人乗りのショートモデルでは荷室の長さが1000mmに対して、7人乗りショートモデルでは236mmしかありません。
一方で、ロングモデルでは、5人乗りで1350mm、7人乗りでも418mmから566mmのスペースがあり、荷物を積み込むための場所が確保されています。
外観として特徴的なのは、近年のトヨタに共通するキーンルックフロントデザインと、オーバーフェンダーのように見える車体サイドのプレスライン、そしてすべての窓が四角いデザインをしていることです。これによりSUVのような力強い印象を与えます。
また、オプション装備として電動サンシェードパノラマルーフが設定されており、夜間は独創的な車内照明と相まって、商用車ベースとは思えない上質な車内空間が演出されます。
安全装備としてはトヨタセーフティセンスが標準装備され、アダプティブクルーズコントロールや横移動監視など、一部のシステムはオプションです。
パワートレインは、1.2リッターガソリンエンジンと、1.5リッターディーゼルエンジンがあり、ガソリン車では6速MTと8速AT、ディーゼル車では5速MTと6速MT、8速ATが設定されています。
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欧州ならではのスタイリッシュな外観と、マニュアルトランスミッションが設定されたプロエース シティ ヴァーソですが、実はプジョーやシトロエンなどのPSAグループのファミリー車という側面も持っています。
そのため、プロエース シティとプロエース シティ ヴァーソは、2018年には登場した3代目プジョー「パートナー」と、3代目シトロエン「ベルランゴ」の兄弟車種であり、共通のプラットフォームを用いています。
PSAグループは、フランスの「プジョー」「シトロエン」、中国の「東風自動車」などからなる多国籍企業であり、トヨタはPSAグループとの間で生産拠点の共有をおこなっている実績もあります。
2005年には、プジョー「107」、シトロエン「C1」と共通のプラットフォームを持つコンパクトハッチバック、初代「アイゴ」を発売するなど、その関係は10年以上にわたります。
プロエース シティ ヴァーソは、こうしたトヨタとPSAグループの提携によって生まれたクルマなのです。
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