5ナンバー車激減!? 軽と3ナンバー車へ二極化 新車が大型化する理由
かつての国内市場は、5ナンバー車が全体の6割を超えるほど定番化していました。しかし、近年では3ナンバー車が増加しており、かつての5ナンバー車もモデルチェンジを機に3ナンバー化しています。なぜ、クルマは年々巨大化しているのでしょうか。
いまや、5ナンバー車は激減…なぜなのか?
近年、クルマのサイズは大きくなっています。昔は、小型車といわれていた車種も、現在ではかつての高級車並みのサイズとなっているものも少なくありません。国産車に限らず、輸入車にも昔より大型化している車種が多くあります。
なぜ、近年クルマは、ボディサイズが大きくなったのでしょうか。
大型化の目安として、国産車では「5ナンバー」から「3ナンバー」へのサイズアップが挙げられます。
日本では、道路運送車両法において小型自動車を5ナンバー、普通乗用自動車を3ナンバーと区分しており、ナンバープレートの上段にある数字(2桁または3桁)の最初が5から始まれば5ナンバー、3から始まれば3ナンバーです。
また、5ナンバーは、排気量が2000cc以下もしくは、全長4700mm以下、車幅1700mm以下、全高2000mm以下のクルマが分類され、どれかひとつでもサイズが上回れば3ナンバーです。
そして、最近の国産車では、この5ナンバーサイズのクルマが減り、3ナンバーサイズのクルマが増えてきています。
日本自動車工業会によると1993年の5ナンバー車の販売台数は、約254万台で全体の65.3%を占めていましたが、2018年は約131万台となり半減近くまで落ち込み、3割以下となりました。
また、3ナンバー車においては、1993年時点では全体の約16%でしたが、2018年には一転し、5ナンバー車を超える約158万台を記録しています。
2018年に発売されたトヨタ「カローラ スポーツ」は、国内販売されるカローラシリーズとして、53年の歴史上初の3ナンバー。また、同年に発売され4年ぶりの復活と話題となったホンダ「インサイト」も3ナンバー化しています。
国産車の歴史は、経済成長とともにトヨタ「パプリカ」や「カローラ」、日産「サニー」などの小型車が販売のメインでした。
そして、高度成長期を経て裕福の家庭が多くなると、より大きく快適な車種が求められるようになります。実際に、1960年代には日産「セドリック」、1980年代にはトヨタ「クラウン」が3ナンバー化。
さらに、1993年には道路運送車両法の保安基準改正によって、1994年4月から販売されるクルマに「正面衝突実験」が義務付けられました。
これは、事故などの衝撃をエンジンルームなどで吸収し、乗員スペースを確保する衝突安全ボディへと繋がっていきます。
実際にクルマの安全性評価をおこなうNCAPの衝突実験動画では、1998年式と2015年式の「カローラハッチバック」が正面から衝突した際に、2015式車は運転席の形状が保たれているのに対し、1998年式車は運転席がつぶれてしまいました。
この実験に使われた1998年式モデルは、「カローラ CSI Seca」というハッチバックモデルとされ、ボディサイズは全長4095mm×全幅1685mm×全高1380mmです。
対する2015年式モデルは、11代目「カローラ(ハッチバック)」となり、全長4275mm×全幅1760mm×全高1460mmとなっています。
衝突安全ボディ構造やそれに伴う衝撃吸収部材などの追加や補強によって、クルマのサイズが大きくなっているようです。
同様に、近年はレーダーやカメラなどのセンサーに加えて、衝撃被害軽減ブレーキや横滑り防止装置などさまざまな安全装備を搭載。
衝突安全ボディなどの事故が起こった際のダメージを軽減する「パッシブセーフティ」に加えて、事故を未然に防ぐための「アクティブセーフティ」も、クルマの大型化の要因となっています。
クルマが大型化する要因について、国産自動車メーカーの開発者は次のように話します。
「クルマの安全に対する考えが年々重要視されていったことに伴い、『アクティブセーフティ(予防安全)』、『パッシブセーフティ(衝突安全)』、さらに運転者の疲労軽減を図る『運転支援』といったものが定着しています。
かつては車種によっての付加価値にもなっていた安全機能ですが、現在では『安全は当たり前のもの』という認識や制度もあって、ほとんどの車種にはなんらかの安全機能が付いています。
これにより、構造上や関連部品や部材の追加と室内空間の確保を考慮した結果、ボディサイズが大型化したのです。
また、国産車に限っていえばグローバル化や開発効率の向上から、クルマのベースとなるプラットフォームが共通化されているため、グローバルで評価されるボディサイズが求められます。
そのため、日本よりも道が広く長距離を走るクルマは走行安定性を求めて、大きくなっていくのです。
そして、軽自動車も普通車並の安全・快適機能を搭載し始めたことで、5ナンバー車に代わる存在として市場が伸びてきていることも、結果として5ナンバー車が激減している要因かもしれません」
難しいですね。3ナンバー幅のセダンが大きくなるのも、運転仕難いし、かなりぶつかり易いし、保険金がかかります。日本で東京オリンピック&パラリンピックが開催されます。もう少し景気が良くなって来たら、久々に日本専用の5ナンバー幅のセダンが復活したら良いと僕は思います。運転仕易いし、保険金もかかりません。日本向けの5ナンバーセダン型と日本も含めて、グローバル系列の3ナンバー幅のセダン型も作り分けも良いですね。楽しみに期待してます。