一世を風靡したのに今では忘れさられた存在!? 過去に大ヒットした車5選

シーマよりも売れていた高級車があった!?

●ホンダ「ステップワゴン」

スタイル、室内、価格とすべての要素でヒットにつながった「ステップワゴン」
スタイル、室内、価格とすべての要素でヒットにつながった「ステップワゴン」

 バブルが弾け一気に景気が悪化した1990年代中頃に、「三菱がホンダを買収するのでは」という噂がありました。当時、ホンダのメインバンクが三菱銀行だったことから出た憶測でしたが、そんな噂が立つほどホンダの国内販売は低迷。

 そんな状況を打開した大ヒット作が、1996年に発売された初代「ステップワゴン」です。

 すでにヒットしていた3ナンバーサイズのミニバン「オデッセイ」がありましたが、ステップワゴンは5ナンバーサイズに収めながら広い室内空間を実現し、後部ドアも片面のみのスライドドアを採用して、子育て世代のファミリー層から絶大な支持を得ます。

 さらに3列シート車が179万8000円(東京価格:消費税含まず)からと、かなり戦略的な価格設定となっていたことも大ヒットの要因です。

 以前、ホンダは「ミニバンメーカー」と揶揄されたこともありましたが、ステップワゴンによってホンダの「ものづくり」が救われたと言っても過言ではありません。

 なお、現行モデルのステップワゴンは5代目になりますが、スタイルを含め原則5ナンバーサイズを維持するなど、初代のコンセプトを継承しています。

●トヨタ「クラウン」

歴代モデルのなかでも空前の大ヒットを記録した8代目「クラウン」
歴代モデルのなかでも空前の大ヒットを記録した8代目「クラウン」

 1955年に純国産乗用車として登場した「クラウン」は、歴代にわたって格調や気品、先進技術、高品質を取り入れてきた日本を代表する高級車です。

 そして、1987年に発売された8代目では、4ドアハードトップに3ナンバー専用ボディがラインナップされるなど、時代のニーズに合わせて大きく変化したモデルとなっています。

 トップグレードの「ロイヤルサルーンG」には3リッター直列6気筒DOHCエンジンが搭載され、さらに1989年には「セルシオ」に先行して、4リッターV型8気筒DOHCエンジンを搭載した「4000ロイヤルサルーンG」を追加するなど高級志向を高めつつ、さまざまなユーザーに向けて豊富なバリエーションを展開。

 その結果、バブル景気の追い風もあり、一時期は月間販売台数で「カローラ」を抜き、高額なクルマでありながらも1988年から1990年の国内販売台数ランキングで、カローラ、マークIIに次いで3位になるほどの人気車となります。

 バブル期に日産の高級車「シーマ」がヒットしたことを受け、当時の高級車市場の活性化ぶりを「シーマ現象」と呼んでいますが、実際の販売台数はクラウンがシーマを遥かに上まわっていました。

※ ※ ※

 近年、1980年代から1990年代に発売された、いわゆる旧車の人気が世界的に高まっています。しかし、日本で旧車を持つのは、ひと筋縄ではいかないようです。

 まず、登録から13年を経過したクルマは、環境負荷が高いという理由で懲罰的に自動車税が増税され、重量税も13年超と18年超で2段階に上がります。

 また、電子部品や樹脂部品の劣化は避けられず、故障の頻度が高くなりますが製造廃止の部品が多く、最悪は修理できない可能性があります。

 日産「スカイラインGT-R」やマツダ「ロードスター」など、趣味性が強く現存数も多いモデルは部品の再生産が始まっていますが、それら以外の車種は絶望的です。

 日本は自動車大国ですが、自動車文化を育てるという点では、厳しい国ではないでしょうか。

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1件のコメント

  1. ウ~ン
    mandomすわ。

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