車のボディカラーはグリーン系が流行!? 不人気色「緑色」のクルマが増えている理由

クルマのデザインの要素のひとつとして、ボディカラーがあります。最近ではグリーン系のボディカラーを揃えるクルマが増えているようですが、それはなぜなのでしょうか。

日本のボディカラーランキングでワースト2の色は「緑」

 クルマのデザインを決めるのは、スタイリングだけでなく、ボディカラーも重要とされています。最近は、白、黒、シルバーなどの定番色だけでなく、カラフルなボディカラーやボディとルーフを違う色で塗り分けた2トーンカラーのクルマを見かけるようになりました。

スズキ初代「ハスラー」でもっとも人気があったボディカラー「クールカーキ」
スズキ初代「ハスラー」でもっとも人気があったボディカラー「クールカーキ」

 なかでも増えているのは、グリーンのボディカラーです。緑といってもさまざまな色味がありますが、とくにカーキやモスグリーン系のボディカラーが増加しています。

 世界有数のペイントメーカーで150年以上の歴史をもつ企業「アクサルタコーティングシステムズ」が発表した2019年版世界自動車人気色調査報告では、もっとも人気があるボディカラーはホワイト(38%)、黒(19%)、グレー(13%)と続きます。

 日本の人気カラーも、ホワイト(36%)、黒(27%)、シルバー(12%)と、トップ3は世界と変わりません。4位以降は青(9%)、赤(6%)、グレー(5%)となっています。

 一方で、日本でもっとも人気のない色はオレンジで全体の1%しかなく、その次に人気のない色として緑(1%)がランクインしています。

 人気がないボディカラーとされる緑色が、なぜ増えているのでしょうか。

 2014年に登場したスズキの軽自動車「ハスラー」は、軽ワゴンとクロスオーバーSUVを融合させた新たなジャンルのモデルで、国内累計販売台数は約48万台と、ヒットモデルとなりました。

 初代ハスラーの魅力は、「遊べる軽」というキャッチフレーズのように、可愛らしい見た目と、使い勝手の良いユーティリティなどアウトドア感にありましたが、色とりどりのボディカラーを取り揃えたことも人気の理由だといいます。

 一般社団法人 日本流行色協会が主催する「オートカラーアウォード2015」においてハスラーは、軽自動車として初めてグランプリを受賞。

「パッションオレンジ」「サマーブルーメタリック」「キャンディピンクメタリック」に設定されたホワイトルーフの組合せが評価されました。

 初代ハスラーのボディカラーについて、スズキの商品開発担当者は次のようにいいます。

「初代ハスラーが色でセンセーショナルを起こしまして、社内では『ハスラーは日本の風景を変えた』という人もいます。

 最初はカラフルなイメージが先行しており、オレンジ、ブルー、ピンクの構成比が多かったのですが、あとからカーキや赤×黒、ベージュの割合が増えてきました」

 登場初期のハスラーは、どちらかといえば男性ユーザーがポップなボディカラーを購入するケースが多かったのですが、最終的には女性ユーザーが全体の6割となり、さらにはカラフルなボディカラーよりも渋めのクールカーキがもっとも人気があったといいます。

 クールカーキの人気について、前出のスズキの商品開発の担当者は、次のようにコメントしています。

「先代ハスラーのクールカーキという色は、どちらかというと男性が選びそうな色というイメージですが、可愛いフォルムに渋い色というのが、逆に女性の好みを捉えていたようです

『この色だと夫婦で乗ることができる』といったかんじで、豊富なボディカラーを揃えることで、さまざまな層に受け入れられるのがハスラーの最大の強みでした」

※ ※ ※

 先代ハスラーの購入者は40代女性が多かったとされていますが、男女問わず、幅広い年代の人が購入しています。

 幅広い年齢層や性別を問わず人気のハスラーは、カラーバリエーションを揃えたことがヒットにつながったようです。

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