トヨタ初の外国人社長誕生ある!? 注目のカフナー氏とはどのような人物なのか
トヨタが2020年3月25日付けで発表した人事で、「トヨタの次期社長が同社初の外国人になるのでは」と噂されています。注目されているのは、新たに取締役になったジェームス・カフナー氏(49)です。いったい、どんな経歴を持つ人なのでしょうか。
50代前半の外国人社長が誕生か?
トヨタが2020年3月25日付けで発表した人事で、一部の経済メディアや自動車業界内で「次期社長は、トヨタ初の外国人になるのでは」という声が挙がっています。
噂の人は、第116回定時株主総会を経て取締役に新任されることになった、ジェームス・カフナー氏(49)です。いったい、どんな経歴を持つ人なのでしょうか。
カフナー氏は、海外事業を統括してきたディディエ・ルロワ氏の取締役退任と入れ替わるかたちで、カフナー氏が9人体制の取締役のひとりとなります。新しい取締役で外国人はカフナー氏ひとりだけです。
取締役新任とあわせて、カフナー氏はチーフ・デジタル・オフィサーに就任。また、ソフトウエア技術を中心とした先端技術開発をおこなうTRI-AD (トヨタ・リサーチ・インスティテュート アドバンスド・デベロップメント)の最高経営責任者の職も継続となります。
カフナー氏の次期社長の噂の根拠は、いくつかあります。
まず、年齢が若く50代前半で社長になれることで、企業として若返りイメージを国内外に主張できること。
そして、豊田社長の長男、豊田大輔氏はカフナー氏と共にTRI-ADの立ち上げに携わった、TRI-ADのシニアバイスプレジデント。そのことから、大輔氏を次世代の経営者として育てるうえでも、豊田社長のカフナー氏への信頼度が高いこと。
そして、NTTとの資本業務提携に見られるように、トヨタの業態転換が本格的に動き出したことで、豊田社長がいうモビリティカンパニーの象徴としてもカフナー氏が適していることも挙げられます。
カフナー氏は、どのような経歴を持つのでしょうか。
米スタンフォード大学でコンピュータ科学ロボティクス研究で博士号を取得し、その後東京大学で人型ロボット向けのソフトウエア開発を経験。
そして、ロボティクス分野で世界的に名高い米カーネギーメロン大学で准教授として教鞭をとった後、グーグルへ移籍し、自動運転プロジェクトの立ち上げに携わりました。グーグルのロボティクス部門長から、2016年にトヨタへ転身しました。
そんな超エリートサイエンティストのカフナー氏ですが、人当たりはとてもよく、気さくです。
「いやー、いまはまだなにも。なにせ、まだ1週間ですからね、この職に就いて」それが、筆者(桃田健史)がカフナー氏に初めて会ったときの、彼の第一声でした。
2016年1月、ラスベガスでおこなわれた家電とIT関連の大型見本市のCESで、トヨタは次世代研究を集約するTRIの創設を発表。幹部メンバーをお披露目しました。そのひとりが、当時CTO(チーフ・テクニカル・オフィサー)だったカフナー氏です。
グーグルからTRIへ転身した理由について聞くと「ギル(プラット氏)からいきなり、誘いの電話があった」という答えでした。
ギル・プラット氏は、カフナー氏と同様にロボット工学の世界的研究者のひとりで、マサチューセッツ工科大学(MIT)などを経て、米政府機関でロボディクスチャレンジという災害ロボットコンテストの総責任者を務めた後、TRIのCEOに転じました。
その後、筆者はカフナー氏にTRI-ADで経済系メディア向けの長時間インタビューをしたり、2019年12月の新オフィスお披露目のときも簡単な意見交換をしました。
そうしたさまざまな機会で会う度に、カフナー氏がサイエンティストという立場だけではなく、企業内でのマネージメント能力を兼ね備えていった印象があります。
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