高性能モデルや遊び心満点なバンがあった!? ユニークすぎる商用車5選

ハイメカを搭載したスバルの名車とは!?

●スズキ「キャリイバン」

巨匠ジウジアーロによってデザインされた「キャリイバン」
巨匠ジウジアーロによってデザインされた「キャリイバン」

 スズキ「キャリイ」は現在、軽トラックのみが販売されていますが、かつては1BOXバンもラインナップされていました。

 1969年に発売された4代目キャリイは、外観のデザインを巨匠ジウジアーロに依頼してライバルとの差別化が図られます。

 ジウジアーロは当時、国産車では、いすゞ「117クーペ」や初代マツダ「ルーチェ」をデザインした実績があり、世界的にも有名なデザイナーでした。

 巨匠の手による4代目キャリイバンは、フロントウインドウとリアウインドウの傾斜角度がほぼ同じで、横から見ると前後が対称に見える斬新なフォルムを採用。

 秀逸なデザインでしたが、バンは限られたサイズのなかでいかに荷室容量を稼くことが重要で、このキャリイのデザインでは荷室を大きくできないという問題がありました。

 そのため、わずか3年ほど販売された後、5代目にモデルチェンジされ、オーソドックスなスタイルに戻されてしまいますが、いまとなっては非常に希少なモデルです。

●スバル「サンバー」

マニアも納得のメカニズムを採用した「サンバー」
マニアも納得のメカニズムを採用した「サンバー」

 スバル「サンバート」は、1961年に発売され、一貫してリアエンジン・リア駆動のRRを採用してきた軽トラック/バンです。

 そして、1990年に発売された5代目からは、軽商用車ながらも直列4気筒エンジンと、さらに上位グレードではスーパーチャージャーが搭載されています。

 1999年に発売された6代目のスーパーチャージャー仕様は、中低速のトルクを重視しながらも58馬力を発揮。

 4輪独立サスペンションと相まって「農道のポルシェ」の愛称で親しまれ、一部には根強いファンも存在します。

 また、サンバーは通称「赤帽」と呼ばれる軽貨物運送業向けに特化した仕様の「赤帽サンバー」が存在するなど、プロからも絶大な信頼を得ていました。

 しかし、スバルは登録車の開発に注力するために、2012年に軽自動車市場からの撤退を決め、サンバーの生産を終了。その後、スバルが販売する軽自動車は、すべてダイハツからOEM供給されています。

※ ※ ※

 現在、軽トラックを生産しているのは、スズキ、ダイハツ、ホンダのみですが、ホンダは2021年に「アクティ・トラック」の生産を終了する予定です。

 アクティ・トラックは1977年から販売されている長い歴史を持つモデルで、ホンダが最初に発売した4輪自動車も「T360」というDOHCエンジンを搭載した軽トラックでした。それを考えると、ホンダの礎となったのは軽商用車と言っても過言ではありません。

 しかし、軽トラックのシェアはスズキとダイハツの2強が続いており、ホンダがアクティ・トラックの刷新をおこなう合理的な理由が無く、ファンにとっては寂しい限りでしょう。

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