高性能なディーゼル車やワゴンがあった!? スカイラインの珍モデル5選

「スカイライン」といえば日産車のなかでも長い歴史を持つモデルで、スポーティなセダンや、クーペのイメージが定着しています。ところが、過去に少し変わったスカイラインがありました。そこで、かつて存在した珍しいスカイラインを5車種ピックアップして紹介します。

こんなのもあったの!? 珍しいスカイライン5選

 日産「スカイライン」は、現在販売されている同社のモデルのなかでも長い歴史を持つモデルです。

昔は王道から外れたスカイラインがあった!?
昔は王道から外れたスカイラインがあった!?

 初代と2代目スカイラインはプリンス製でしたが、3代目から日産製となり、数々のレースでの活躍や高性能モデルの「GT-R」によって、スポーティなセダン、クーペというイメージが定着しています。

 ところが、かつてのラインアップにはユニークなモデルが存在していました。そこで、かつて販売されていた珍しいスカイラインを5車種ピックアップして紹介します。

●スカイライン280D GT

高速ディーゼルとして定評があるLD28型を搭載した「スカイライン280D GT」
高速ディーゼルとして定評があるLD28型を搭載した「スカイライン280D GT」

 スポーティな印象が強い6気筒エンジン搭載の歴代スカイラインシリーズですが、じつは5代目(C210型)にディーゼルエンジンを搭載したモデルがありました。

 1980年に発売された「スカイライン280D GT」は、国産乗用車初の2.8リッター直列6気筒SOHCディーゼルエンジン「LD28型」を搭載し、最高出力98馬力/最大トルク17.3kgm(グロス)を発揮。当時の国産ディーゼル乗用車としては最速クラスと評されました。

 当時の日産車で「GT」を名乗る条件は、6気筒エンジンの搭載が不可欠だったため、ディーゼルエンジンであっても「280D GT」とされたようです。

 しかし、直前に登場して話題になった、スカイライン初の2リッター直列6気筒ガソリンターボエンジンを搭載した「2000GTターボ」の陰に隠れてしまい、話題になることはあまりありませんでした。

 6代目(R30型)でもディーゼルエンジン搭載車がラインナップされましたが、スカイラインの購入を検討するユーザーが、あえてディーゼルエンジンを選ぶことはほとんどなく、実際に走っている姿を見ることは稀だったようです。

●スカイライン ハッチバック

売れないジンクスは本当だった!? 「スカイライン ハッチバック」
売れないジンクスは本当だった!? 「スカイライン ハッチバック」

 1981年に登場した6代目スカイライン(R30型)は、2リッター直列4気筒DOHCエンジン「FJ20E型」を搭載した「RS」シリーズが記憶に残っていますが、スカイライン初の試みとして、2ドアハードトップ、4ドアセダン以外に5ドアハッチバックが存在しました。

 5ドアハッチバックはRS以外のモデルにラインナップされ、リアシート部分までは4ドアセダンとドアも共通でしたが、ルーフエンドからテールエンドに向かってなだらかに傾斜するバックドアが採用されています。

 4ドアセダンの居住性とハッチバックの利便性を合わせ持ったクルマでしたが、当時は国産車で5ドアハッチバックのモデルは売れないというジンクスがあり、スカイライン ハッチバックも販売は低迷して、滅多に見かけることはありませんでした。

 実際には「スカイラインのイメージに合っていない」ということだったのかもしれません。

 しかし、性能的にはトップグレードの「ターボGT-EX」で最高出力145馬力/最大トルク21.0kgm(グロス)を発揮する2リッター直列6気筒SOHCターボ「L20ET型」エンジンが搭載され、トップスピードではRSを凌ぐ高速性能を持っていました。

●スカイライン ワゴン

これぞステーションというフォルムの「スカイライン ワゴン」
これぞステーションというフォルムの「スカイライン ワゴン」

 1985年に4ドアハードトップと4ドアセダンのみが先行発売された7代目スカイライン(R31型)は、1973年発売の「GT-R」以来となる2リッター直列6気筒DOHCエンジンが搭載されたことで話題となります。

 翌年の1986年には2ドアクーペが登場し、その少し前には、6気筒エンジン搭載のステーションワゴンも追加されました。

 歴代スカイラインのなかで3代目(C10型)から5代目までは、ステーションワゴンと商用バンがあり、6代目はバンが設定されていました。

 昭和のころは、セダン、クーペ、ステーションワゴン、バンなど、数多くのボディタイプを1車種でラインナップすることは珍しくなく、スカイランでも定番でした。

 そうしたことから7代目でも、使い勝手の良いステーションワゴンがラインナップされたことは自然な流れです。

 搭載されたエンジンは最高出力170馬力/最大トルク22.0kgm(グロス)の2リッター直列6気筒SOHCターボ「RB20ET型」で、よりハイパワーな4ドアセダンよりも魅力は薄く、当時のハイソカーのような内装もスカイラインファンに受け入れられなかったようです。

 なお、ステーションワゴンは7代目限りで消滅し、1996年に発売されたステーションワゴン専用車の「ステージア」へと受け継がれました。

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