ジープで粉雪体験! 「チェロキー」は大人の都会派SUVだった
日本における2019年のジープ・ブランドの年間販売台数は、16.3%増加した1万3271台となりました。ジープが日本でヒットしたといえば、1990年代の「チェロキー」を思い出す人が多いでしょう。そこで、最新チェロキーを雪上で試乗して、現在のチェロキーについて考察してみました。
欧州SUV乗りにこそオススメしたい、チェロキーの実力とコスパの高さ
ジープ「チェロキー」と聞けば、1990年代に若者を中心にヒットしたチェロキーが有名です。現行型のチェロキーは、2014年に登場し、2018年10月にフロントマスクのデザインを変更するなどの改良が施されました。
チェロキーは、ジープ初の装備を搭載する、ジープにとってのいわばメートル原器のような存在です。このジープの屋台骨であるチェロキーに、北海道の雪上で試乗してきました。
雪上試乗のベースは、約1000ヘクタールの広大な敷地を擁する滞在型リゾート「星野リゾート トマム」です。ウインターシーズン以外も通年楽しめるリゾートですが、パウダースノーの雪質もよく、スキーを嗜む人ならば、一度は冬に訪れたいリゾートです。
前日の夜から降り始めた雪は、朝になっても止むことはなく、雪が降る状況での試乗となりました。
今回試乗したチェロキーのグレードは、「トレイルホーク」です。このほかチェロキーには、ベーシックグレードの「ロンジチュード」、プレミアムグレードの「リミテッド」があります。
トレイルホークは、ジープが過酷なトレイルでの性能試験をパスした車両にだけ与える「Trail Rated」のバッヂを獲得した、より本格的なオフローダーを求めるカスタマーのための究極のチェロキーです。
補足しておくと、ロンジチュードだけが2.4リッター直列4気筒SOHCエンジンを搭載しており、リミテッドとトレイルホークは2リッター直列4気筒DOHCターボエンジンを搭載しています。この2リッターのエンジンは、「ラングラー・アンリミテッド」にも搭載されているエンジンです。
さらに補足すると、トレイルホークだけ寸法が異なっています。全長こそすべてのグレードで同じですが、全幅・ホイールベース・トレッド・最低地上高などが違うのです。
トレイルホーク/リミテッド/ロンジチュードで異なる寸法は、次のとおりです。
・全幅:1905mm/1860mm/1860mm
・ホイールベース:2720mm/2720mm/2700mm
・フロントトレッド:1620mm/1580mm/1580mm
・リアトレッド:1625mm/1585mm/1585mm
・最低地上高:220mm/205mm/180mm
トレイルホークだけトレッドが広くなり、それに伴って全幅も広くなったのは、悪路での走破性を高めるために幅の広いタイヤを装着したからです。最低地上高も高くなっており、雪道で走るにはベストな選択でしょう。
目のさめるようなファイヤークラッカーレッドのボディに、マットブラックボンネットデカールを組み合わせた試乗車は、いかにもアメリカンな雰囲気。2014年5月に登場した際の細目のヘッドライトが、2018年10月のマイナーチェンジで「グランド・チェロキー」の流れを汲むデザインへと変更されました。
プレミアムファブリックの車内は、質感高く仕上げられていて、フロントシートバックには赤い糸で「TRAILHAWK」と刺繍され、ダッシュボードやシフトブーツなど至るところに赤いステッチが施されています。かつてのアメリカンSUVの面影はなく、スポーティな印象となっています。
また、チェロキーのインテリアは、BMW「X3」やメルセデス・ベンツ「GLC」、ボルボ「XC60」あたりの欧州ミドルサイズSUVからの乗り換えや、これから購入を比較検討するカスタマーにとってのもうひとつの選択肢となりうるクオリティに仕上がっています。
車両価格も500万円を切る493万円(消費税込み)と、非常にバリューある価格となっているのは魅力的です。実際にX3のカスタマーの平均年齢が49歳であるのに対し、チェロキーは43歳というデータもあり、性能や装備に対してバリューある値付けになっていることが、若年層に受け入れられているようです。
こうしたチェロキーを選択したカスタマーたちの購入のきっかけとなった最大の理由は、チェロキーのエクステリアデザインでした。実に58%のカスタマーが、チェロキーの外観を気に入って購入しています。チェロキーは欧州ミドルサイズSUVに比べて既視感がなく、クルマにも個性を求める若年層から支持されているようです。
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