スカイラインやクラウンのバンがあった!? イケてる商用車5選
海外専用モデルのトラックは、もっとおもしろい!?
●マツダ「ロータリー ピックアップ」
マツダがロータリーエンジン搭載車のフルラインナップ化を推進していた1974年、シングルキャブのピックアップトラック「プロシード」をベースに、1.3リッター2ローターの13B型ロータリーエンジンを搭載した、高性能ピックアップトラック、「ロータリーピックアップ」を北米市場専用モデルとして発売しました。
この世界で唯一のロータリーエンジン搭載ピックアップトラックは、ボディ形状こそ一般的なボンネットトラックでしたが、フェンダーは左右に拡大され、フロントにはディスクブレーキが採用されるなど、装備もスポーティさをアピールしていました。
またレシプロエンジン搭載車のテールランプが角型であったのに対し、ロータリーピックアップは丸型を採用。これは当時、同一のボディながら、レシプロエンジン搭載の「グランドファミリア」のテールランプが角型で、ロータリーエンジン搭載の「サバンナ」が丸型だったことと同様のイメージ戦略と思われます。
ロータリーピックアップは「REPU」(ロータリー・エンジン・ピック・アップの略)と呼ばれ、いまでは世界的にも貴重なクラシックなロータリーエンジン車であることや、約1万6千台しか生産されなかったこともあり、現在でもアメリカのロータリーマニアに人気があるクルマです。
●スバル「ブラット」
1970年代の初頭、アメリカのスバル現地法人から、本社に向けて小型ピックアップトラックの開発が求められていました。アメリカでは若者が乗るクルマとして、ピックアップトラックの人気が非常に高かったからです。
そこで、スバルは1977年に、初代「レオーネ」をベースにモノコックボディのピックアップトラック「ブラット」を発売。アメリカのみならず、イギリスやオーストラリアなどでも販売されました。
アメリカではピックアップトラックの輸入車に高い関税が課せられるため、対策として荷台にプラスチック製のシートが装備され、乗用車として輸入するという荒業を使用。
駆動方式は全車4WDとされ、エンジンは当初1.6リッター水平対向4気筒のみでしたが、1981年のモデルチェンジで2代目となり1.8リッターと、1.8リッターターボに換装されます。
スタイリッシュな4WDピックアップトラックということで人気が高かったため、アメリカでは1987年まで販売され、ヨーロッパやオーストラリア、ニュージーランドなどでは1994年まで販売されるロングセラーでした。日本にもわずかながら逆輸入のカタチで上陸しています。
なお、2代目ブラットは田宮模型からラジコンカーが販売されていたので、知名度は高いかもしれません。2019年8月には特別企画商品として、ブラットのラジコンカーが再販されました。
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商用車は荷物を積載する目的に特化したクルマですが、かつてはユニークなデザインのものや、スタイリッシュなモデルが数多く存在しました。
また1970年代は、個人商店の家ではバンが時としてファミリーカーの役割を担っていたため、バンでも充実した装備のモデルや、ワゴンと変わらない外装のモデルが販売されていたのです。
いまでは、そういったモデルがなくなってしまったのは残念ですが、合理的な生産を考えると仕方ないのかもしれません。
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