車の「メンテナンスパック」って必要? 複雑怪奇なサービス内容とは

カーディーラーで勧められることのある「メンテナンスパック」。セット価格自体は、6万円から8万円と高額になることが多いですが、実際にメンテナンスパックの必要性はあるのでしょうか。

そもそも、メンテナンスパックの内容とは?

 自動車メーカーの販売店などで、「メンテナンスパック」の加入を勧められたことはないでしょうか。一般的なサービス価格よりも安く、定期的にメンテナンスがおこなわれるのが特徴ですが、自分でメンテナンスしてしまえば加入の必要はないとの声もあります。

 販売店で勧められるメンテナンスパックとは、どのようなものなのでしょうか。

メンテナンスパックは実際にお得なの?
メンテナンスパックは実際にお得なの?

 まず、メンテナンスパックの内容は販売店によって異なります。たとえば、トヨタのメンテナンスパックは、販売店によってサービスの名称やメンテナンス内容に若干の違いがあるのです。

 大きな違いである名称では、カローラ店はメンテナンスパック、トヨタ店はウェルカムサポート、トヨペット店はスマイルパスポート、ネッツ店はメンテナンスパスポートとなります。

 今回は、あるトヨタカローラ店のメンテナンスパックについて、実際の商品を例にみていきます。この店舗では大きく「新車購入時」に加入した場合と、「中古車購入時(車検2年付のクルマのみ)、または車検時」に加入した場合で内容が異なっています。

 新車購入時に加入した場合は、新車登録時から36か月目の「初回車検」まで、定期的なメンテナンスがおこなわれるのです。

 サービス内容は、6・18・30か月目に「プロケア10」、12・24か月目に「法定12ヶ月点検」、そして36か月目の「初回車検」となっており、6か月のサイクルでメンテナンスされます。

 プロケア10とは、「油脂液類チェック」「ワイパーチェック」「室内チェック」「ライト類のチェック」「バッテリーチェック」「ブレーキチェック」「ベルト類チェック」「タイヤチェック」「下回りチェック」「エンジンチェック」の10項目に加え、ブレーキ調整がおこなわれます。

 故障や不具合を未然に予防できるほか、早期発見につながるためクルマにとっては重要なサービスです。

 12か月と24か月におこなう法定12か月点検は、「かじ取り装置」「制御装置」「ブレーキディスク及びパッドの摩耗や損傷」「走行装置」「動力伝達装置」「原動機」「電気装置」「その他」に加えてブレーキ調整をメンテナンス。整備士により、丁寧で安心な点検整備が受けることができます。

 そして36か月目に車検整備をして、通常の点検項目に加え「フロントワイパーラバー」「ブレーキオイル」「ウォッシャー液」「ブレーキクリーナー」「クリーンエアフィルター」の交換をおこないます。

 以上が、新車購入時に加入した場合のメンテナンスパックに含まれています。なお、新車登録時から12か月以内であればいつでも加入が可能です。

 次に、中古車購入時または車検時に加入した場合のメンテナンスパックです。

 中古車購入時であれば「登録から次回の車検時まで」の2年間、車検時に加入した場合は「次回車検時まで」の2年間、サポートを受けることができます。なお、どちらも車検時から次回車検までの「2年間」が条件のため、途中加入はできません。

 サービス内容は、加入後6か月・18か月目にプロケア10、12か月目に法定12か月点検、24か月目に車検整備となり、2年間安心のサポートがあるため、故障の可能性を抑えることができます。

 メンテナンスパックについて、トヨタ販売店スタッフは次のように話します。

「メンテナンスパックは『年間の走行距離が多い』、『ターボ車に乗っている』、『クルマの知識がなく自身で点検ができない』、といった方にはお得といえるのではないでしょうか。また、忘れがちなメンテナンス時期を知らせしてくれる、という部分が気に入って加入してくださる方も多いです」

 さらに、他メーカーの販売店スタッフは、以下のように話します。

「メンテナンスパックによる整備は『管理』の点で大きなメリットがあります。たとえば、整備のたびに不具合が起きる箇所があったため念入りに調べたところ、根本的な故障が発見されたというケースが実際にありました。プロの整備士により定期的な点検が受けられるのは、大きな安心感に繋がるのではないでしょうか」

※ ※ ※

 メンテナンスパックがお得かどうかは、ユーザーごとの「クルマとの付き合い方」によって異なるため、購入時は販売店としっかり相談することをオススメします。

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